2015/12/14
インタビュー/Interview

黒川真知子インタビュー

「作品が誰かの心の支えになってくれたら嬉しい」と語る黒川真知子さん。自身の作品につながる学生時代の経験や、多摩美術大学時代に助手に教わった「仕事をしながら作品制作を継続するコツ」など、アーティストになるきっかけから現在までの活動を語っていただきました。
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──アーティストになったきっかけを教えてください。

 幼い頃から絵を描くことが好きで、将来は漫画家になりたいと思っていました。そんな私がアーティストになりたいと思ったきっかけとして1番大きいことは、ASIAN KUNG-FU GENERATION、また彼らのCDジャケットを手がける中村佑介さんの作品との出会いです。

 中学校1年生の時にASIAN KUNG-FU GENERATIONを知りました。その時は音楽には興味がなかったのですが、中村佑介さんのイラストを見て、シンプルにまとまっていながらも存在感のある作品に心惹かれたことがきっかけでした。

 

──普段はどのような作品を制作されていますか。

 現在のような人物画を描くようになったのは、大学の卒業制作からです。『Ignorance is bliss.』(知らぬが仏)をテーマに、コラージュ、あるいはそこから平面作品を展開しています。「人間誰しも、他人に対してなにか理想や偏見を抱いた目で見ているし、他人から自己を見られるときに自分を作っている。でもそれをしないと私たちは生きていけない。本当の姿を知ることが必ずしも幸福ではない」というテーマで制作をしています。平面作品を作るときは、アクリルガッシュと水彩絵の具で描いています。

 

──アーティストになるきっかけとなった、中村佑介さんには影響を受けていますか。

 自分の絵を出す場所として、ジャケットという一つのアートワークを考えてみようと思いました。そこで実際に、大学の自由課題でCDジャケットサイズの作品を作ったりもしました。アーティストの曲の味に寄り添うというのはどういうものなのだろうと考えるようになりました。

 

──そのほかに影響を受けている・好きなアーティストはいますか。

 ホルスト・ヤンセンさんです。イラストのタッチはそこに影響を受けていると思います。

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──作品はグレートーンのものが多いですが、それはなぜですか。

 もともとは漫画家志望だったので、色が入ると作品がまとまらなくなってしまうことがあったからです。しかし、絵を専攻していない大学の友人に作品を見てもらった際に、色があると分かりやすいという意見が多くありました。そこで実際に色を入れてみたのですが、色に遊ばれてしまう感覚がありました。そのため、目の周りや肌など特定の部分に色を使うように心がけています。

 

──自身の作品をどのように見てもらいたいですか。

 難しいことを感じずに、純粋に作品を見てほしいです。自分の中では絵の勉強をしている人・絵が好きなひとだけに作品を見てほしいとは思っていません。Twitterでも作品を発表を発表しているのですが、芸術に関心がある方以外の人にも作品に興味を持ってもらえたことが嬉しかったです。

 実は、高校に4年間在学していました。学校に行くのが嫌になってしまっている時期があったからです。そういった同じ境遇を辿っている人、過去にそのような経験があった人からもSNSを通じて連絡をいただくことがあります。もしかしたら自分の作品に、過去の経験がにじみ出ているかもしれないと感じていて、自分と同じ経験をしている方々の心の支えになれたら嬉しいです。

 

──Twitter以外でも作品の発表をされていますか。

 tumblrやホームページは利用しています。ですがパソコンでの作業が苦手なので、thisisgalleryなら作品をアップロードして、必要事項を入力するだけで利用できるので嬉しいです。

 

──実際の展示はどのようにされていますか?

 友達と一緒に作品を発表するのは苦手なので、知らない人とグループ展を開いたりしています。内輪受けだけになってしまうのが怖いからです。知らない方と展示を行うと、様々な職種の人に会うことができるのもメリットの一つです。実際に主婦をやりながら制作活動をしている人にお会いした時は、どのように制作活動と私生活のバランスを取っているかなどを聞くことができ、就職活動の際にとても役立ちました。

 

──現在はお仕事をされているそうですが、制作活動とお仕事のバランスをとっていますか。

 大学時代に、助手の方に「制作がすぐできる環境を作ることが大事」だと教わりました。それ以来仕事が終わった後にすぐに制作ができる環境を作るようにしています。

 

──これからのアーティストとしての活動や展望があれば教えてください。

 もっと難しくないことをしたいです。色や描写に関して、現物を見てほしいという気持ちはあるのですが、インターネットが普及している今、そこでの活動をもっとしてもいいのだろうかと悩んでいます。賛否両論はあるかと思いますが、学生の方にも高価な絵ではなく、もっとふらっと、自分の作品を発信してもらいたいと考えています。

 

──最後に、黒川さんにとってアートとはどのような存在か教えてください。

 自己救済。絵に関しては「描くことも見ることもなくなってしまったら……。」そう考えると怖いです。音楽や演劇も好きなのですが、そのようなものがなくなったら生きていけません。

 

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黒川真知子の作品一覧

ライター 小原光史

インタビュアー 北野佳奈子

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