2016/04/04
アート/Art

【書評】楽園のカンヴァス(原田マハ著)~画家の情熱が引き金となった絵画ミステリー~

原田マホ氏の代表作『楽園のカンヴァス』

514hNRNfGSL

Photo via Amazon

原田マハさんの代表傑作とも呼べるこちらの作品は、アンリ・ルソーと呼ばれる奇才の画家の作品「夢をみた」の鑑定を巡ってニューヨーク近代美術館のキュレーターであるティム・ブラウンとアンリ・ルソー専門家の早川織絵が互いに作品の背景に隠された真実に迫っていくという話です。

もちろん二人の専門家による鑑定の争いもポイントですが、この本の最大の読みどころはアンリ・ルソー自身と彼を取り巻く関係。ピカソとの互いに当時の芸術界を変えてやるという熱い情熱や、彼の作品に次第に惹かれてゆく近くの婦人などの芸術に詳しくなくても、作品に対する思いが読者にも伝わってきます。ちなみに、この作品のモチーフとなった「夢」はニューヨーク近代美術館にあります。この本を読んで気になった方は、そちらもチェックしてみるといいかもしれませんね。

あらすじ

ニューヨーク近代美術館の学芸員ティム・ブラウンは、スイスの大邸宅でありえない絵を目にしていた。MoMAが所蔵する、素朴派の巨匠アンリ・ルソーの大作『夢』。その名作とほぼ同じ構図、同じタッチの作が目の前にある。持ち主の大富豪は、真贋を正しく判定した者に作品を譲ると宣言、ヒントとして謎の古書を手渡した。好敵手は日本人研究者の早川織絵。リミットは七日間―。ピカソとルソー。二人の天才画家が生涯抱えた秘密が、いま、明かされる。

出展 Amazon作品ページ

書籍情報

ジャンル: ミステリー

著者: 原田マハ

発行日: 2012年1月

発行元: 新潮社

Amazon作品ページ

楽園のカンヴァス

514hNRNfGSL

関連記事

「世界で最も影響力のある100人」にあの草間彌生さんが選ばれる!

「TIME」誌が選ぶ「世界で最も影響力のある100人」Image via TIMEアメリカの雑誌「TIME」が選ぶ「世界で最も影響力のある100人」。毎年恒例のこの企画では、世界の著名人が名を連ねます。今年で言えば、Facebookの創始者

0から学ぶ西洋美術史シリーズ~ビザンティン美術~

今回の0から学ぶ西洋美術史シリーズで扱うのは『ビザンティン美術』です。ビザンティン美術『ビザンティン美術』は、5世紀から15世紀の東ローマ帝国で発達した美術の体系のことです。古代のギリシア美術、ヘレニズム美術、ローマ美術を継承しつつ、東方的

シュルレアリスムの説明できない魅力...ジョルジョ・デ・キリコの不思議な世界

シュルレアリスムの代表的なアーティスト Photo credit: Larry He's So Fine via VisualHunt / CC BY-NC 彼を紹介する前に、シュルレアリスムという言葉を先に紹介させていただこうと思

現代アートに触れてみたいなら金沢の『21世紀美術館』へ

現代アートといえばここ。金沢の『21世紀美術館』をご存知ですか?見る者を選ぶ現代アートPhoto via kanazawa21.jp美しさや技巧で魅せるのではなく、みる者を考えさせたり、新しい視点を提供する魅せ方はかなり人を選びます。ょっぴ

0から学ぶ西洋美術史シリーズ~ローマ美術~

今回の0から学ぶ西洋美術史シリーズで扱う内容は『ローマ美術』です。ローマ美術ローマ美術とは、古代ローマ帝国の美術であり、時間的には共和制末期とコンスタンティヌス1世以前の帝政期の美術を指します。空間的には地中海地域(アフリカ北岸も含む)とラ