2016/04/11
文芸/Book

名前は知ってる、でも読んだことはない…そんな方も多いのでは?「銀河鉄道の夜(宮沢賢治著)」

教科書でもよく登場しますよね、『銀河鉄道の夜』

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Image via Amazon

この本は宮沢賢治の本の中で一番名前が知られているものの一つだと思います。宮沢賢治の小説は作者の特徴と言えるかもしれませんが、意味がわかりづらかったり、よく理解できないところが多くあります。

ではどこが良いのかと言われると意味は通じていなくても「銀河鉄道の夜に」というタイトルからイメージされる通り、美しい雰囲気、すなわち情景が素晴らしいのです。

この小説は意味がわからないところが多い小説ですが、逆に言えば意味がわからなくてもいいと言えます。読んでいて美しい光景を感じてそれを「良いな」と思えればそれでいいという小説なのではないでしょうか。

ストーリーは宮沢賢治自身の姿と重なる部分も?


Photo credit: jimchou69 via Visual Hunt / CC BY-NC-ND

この小説は未完で宮沢賢治が病床で死ぬ直前まで書き続けられてたものだといわれています。なんとなくわかるストーリーの展開がその宮沢賢治の実際の状況と当てはまっているような感じがあります。銀河鉄道の列車は最終的には天国までいくと作中で語られています。

要するにこの銀河鉄道の列車と言うのはこの小説そのものの事でそれに乗っているのは宮沢賢治なのではないでしょうか。銀河鉄道に最初は友人と二人でいるけどいつか友人はいなくなって自分ひとりになってしまい、最後まで列車に乗ってられるのは自分だけだと。そして現実とされるところに戻った気がしたら友人の方がが死んでいて生きていたのは自分だけだと。これは死んだときに自分は死んだと気付かないことを暗に示しているのではないでしょうか。

内容紹介

永久の未完成これ完成である。自らの言葉を体現するかのように、賢治の死の直前まで変化発展しつづけた。最大にして最高傑作「銀河鉄道の夜」。

-Amazon作品ページより引用

書籍情報

ジャンル: 童話

著者: 宮沢賢治

発行日: 1969/7/19

発行元: 角川文庫

 

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