2016/04/15
文芸/Book

ホーンテッド・キャンパス(櫛木理宇)〜日常ホラーと青春ラブの融合〜

大人気青春ホラー、実写映画化も決定!

61RWsH57nSL
Image via Amazon

2016年、 中山優馬さん主演で映画化も決定しているこの本の見所はなんといっても、ラスト。ただ怖いだけではなくて最後には必ず救いがあります。恐怖にみまわれるタイプのホラー小説ではなく、怪奇現象を解決するタイプのホラー小説になってます。

主人公の八神森司と彼が思いを寄せる美少女灘こよみちゃんの甘酸っぱい恋模様。絵に描いたような草食男子な主人公にもどかしい反面、胸キュン間違いなしです。最新刊は初の長編となっており、読みごたえ抜群です。

キャタクターの中ではやはり、ヒロインこよみちゃんが魅力的です。気が利いて、優しくて、ちょっと損しがちな性格かもしれませんが、それが浮世離れした美少女のアクセントになってます。そんな女の子ってちょっと憧れちゃいますよね。

また、彼らを取り巻く個性的な先輩達。サブ主人公の立場の彼ら。舞台が東北だからか、名家の因縁が、やや時代錯誤気味、恋のライバルから以前色々あった人達。特に以前登場した懐かしいキャラクターが出て来ると、初登場時の話を読み返したくなります。

気楽にスルスル読むのに最適

作家の櫛木理宇さんの文体は普通の話し言葉で読みやすく、スルスル読めるのが魅力だと思います。普段なかなか時間が取れない方にとっても、一話完結型は読みやすいと思います。お気に入りの回は何回でも読み返して意味を深く考えたくなるような展開です。

時代に深く関わる話も大きく、作中に多くの怪奇現象の知識、怪奇小説のタイトル、作家名が登場します。興味がある方に特にオススメです。

背筋が凍る様なホラーシーン、胸キュンのほのぼのシーン、思わず目頭が熱くなる様な感動のラスト。その全てを楽しみたい方には、文句なしにオススメです。

書籍情報

ホーンテッド・キャンパス

ジャンル: ホラー小説

著者: 櫛木理宇

発行日: 2012/10/25

発行元: 株式会社KADOKAWA

関連記事

【書評】アルジャーノンに花束を(ダニエル・キイス) 〜天才へと変貌した男は、世界に何を想うのか〜

日本でも二度のドラマ化、世界的名著『アルジャーノンに花束を』 Photo via Amazon 『アルジャーノンに花束を』。ダニエル・キイスによって綴られたこの小説をご存知の方は多いのではないでしょうか。小説としての人気もそうですが、そ

青春はジェットコースターのごとし!森見富美彦の描く「夜は短し歩けよ乙女」

疾走感に満ち溢れた京都青春小説 Image via Amazon疾走感と小気味の良さに溢れた森見富美彦氏の作品である。歴史と文化の街京都が舞台。主人公で大学生男子の「私」と、彼が恋焦がれる可憐なヒロイン「彼女」の二人を軸に物語は進んでくのだ

ジブリ映画「借りぐらしのアリエッティ」の原作として有名。『床下の小人たち (メアリー・ノートン )』

ジブリ映画「借りぐらしのアリエッティ」の原作 Image via Amazon ジブリの映画の「借りぐらしのアリエッティ」原作とし有名な、イギリスの古風な家の床下に住む小人の一家を描いた小説のシリーズ一作目にあたります。ユニークなの

子どもに語る グリムの昔話(佐々木梨代子・野村ひろし訳)~人間関係に行き詰まったら読みたい一冊~

「グリム童話」に皆さんはどんなイメージを持っていますか? Image via Amazon グリム童話。子どものころに読んだでしょうか、白雪姫やカエルの王様、シンデレラ、ブレーメンの音楽隊もグリム童話です。皆さんはグリム童話にどん

ただ怖いだけではない、"美しすぎる"ホラー小説『カノン(篠田節子著』)

あまりに、あまりに美しいホラー小説「カノン」Photo via Amazon自殺者が残した音楽テープは遺言なのか、それとも怨念が込められた呪いのテープなのか。曲を聴いた児童はひきつけを起こし、押入れにしまってあるはずのチェロはひとりでに弦を