2017/05/01
アート/Art

今いかないと絶対損! 国立新美術館(2017年5月決定版

 国立新美術館

 

今いかないと絶対損! 国立新美術館

 

開館10周年を迎える国立新美術館

今行かないと絶対に損をしてしまう美術館があります。それが国立新美術館です!

国立新美術館は今年、開館10周年を迎えます。それに際して、美術館としてもこのアニバーサリーイヤーを盛り上げるべく、過去最大級の展示を開催しています。

 

もしゴールデンウィークの予定がまだ決まっていないのでしたら是非足を運んでみるべきです!

 

国立新美術館てどんなところ?

国立新美術館

国立新美術館は、六本木にある、2007年に開館した日本で最大の延床面積をもつ美術館です。コンセプトは『森の中の美術館』としており、設立目的は展覧会の開催・情報収集、その公開・教育普及としています。

普通、美術館は自分の館の収蔵品、つまり作品のコレクションを持っていますが、国立新美術館はコレクションを持っていません。これは国立美術館としては唯一で、通常美術館をミュージアム:museumと表記するところを、ここはコレクションを持っていないため、アートセンター:art centerという表記をしています。そういうわけで国立新美術館は、”THE NATIONAL ART CENTERTOKYO”と名乗っています。

 

広大な敷地の中には美術館としては珍しく美しい緑があふれていて、大きなガラス張りの建物に空と緑が反射している様子は、コンセプトどおり『森の中の美術館』を演出しています。設計を担当したのは建築家の黒川紀章でこの美術館が最後の建築物となりました。

 

 国立新美術館 ホール

建物の中から見た風景も緑にあふれていて、アートギャラリーやミュージアムショップ、カフェが充実していて、美術館であると同時に癒しの空間でもあります。

 

 

今、どんな展示をしているの??

今、どうしてもこの美術館に行ってもらいたい理由は、今後、日本でまたみられるか分からない展示が二つも開催されているからです。

 

それは、アルフォンス・ミュシャ『ミュシャ展』草間彌生『我が永遠の魂』展です。

それぞれについて魅力をお伝えしたいと思います。

 

 

 

アルフォンス・ミュシャ『ミュシャ展』

国立新美術館 ミュシャ 国立新美術館 ミュシャ

出典:『ミュシャ展』ポスターより

ミュシャは、日本でも良く親しまれている作家で彼の作品はとても人気が高いです。ミュシャというと、ポスターデザインのイメージが強い人が多いと思います。きれいな流線で描かれるきれいな女性や男性像を何度か目にする機会が今までにもあったのではないでしょうか。勿論、今回そういった作品も一堂にそろいますが、なんといっても目玉は『スラヴ叙事詩』シリーズです。

 

 

『スラヴ叙事詩』とは?

スラヴ叙事詩は、チェコおよびスラヴ民族の神話や伝承、歴史を描いた全20作からなる連作です。
サイズは小さいもので約4×5m、大きいものになると約6×8mになります。
1928年には特設の展示場を用意することを条件にプラハ市に寄贈されましたが、長多くの人の目に入るような展示をされておらず、2012年からようやくプラハ国立美術館で展示されるようになりました。

卵を溶剤として用いたテンペラと油彩で描かれています。実際に描く構図と同じようにモデルを配置した写真を撮り、それを引き延ばして下絵とすることで正確な遠近や構図で描けたとされています。また、ポスターなどに見られたミュシャ特有のデフォルトの技法は全くなく、限りなく本物に近い写実性で描かれています。

東ローマ皇帝として戴冠するセルビア皇帝ステファン・ドュシャン ミュシャ

『東ローマ皇帝として戴冠するセルビア皇帝ステファン・ドュシャン』

1900年のパリ万博にむけて、ボスニア・ヘルツェゴビナ館の内装を依頼され、それにあたりスラヴ民族の歴史について研究したことがきっかけとされています。
ミュシャは、自分の民族の歴史に大きなインスピレーションを受け、これをまた後世に残すことが大きな自分の役割であると考え、残りの人生をひたすら我が民族に捧げる」という誓いをたてます。そこからミュシャの最大の連続作品といえる『スラヴ叙事詩』の制作が始まったのです。

『スラヴ叙事詩』は一枚一枚が大規模であり、また歴史的にも貴重な絵画でもあることから、チェコ国外で展示される機会は殆どありませんでした。もちろんシリーズ全作が一度にチェコ国外に出たことはありませんでしたが、今回、国立新美術館では全20点が展示されます。これはチェコ国外では初めてのことです。

今後、中国、韓国、アメリカを回る予定ではありますが、この機会を逃すとチェコに行かないと見れなくなる可能性が大いにあります。

 

 

見どころは?

今回の展示で素晴らしいところは、スラヴ叙事詩の20連作全てが一度に見れるところで、ストーリーや展開、世界観の概要をわかりやすく観覧することができます。作品のキャプションも細かいところまで説明されていて、スラヴ民族についてや、鑑賞の方法を知らない人でも気軽に観て、理解を深めることが出来るようになっています。
当時のスポンサー事情など、実際ににどういった過程で彼が『スラヴ叙事詩』を描いていたのか、誰をモデルにしたのかというところまで説明されていて、当時の彼の様子が想像できます。

『スラヴ叙事詩』だけではなくポスターなどのリトグラフ作品、挿絵など、それ以前の作品も数多く展示されていて、その約100点ほどになります。ミュシャは人気のある作家であり、日本でもほぼ毎年のように展示が開催されていますが、ここまでの規模の展示はほとんどありません。

 

 

おすすめしたいポイント

作品が巨大なものが多いので、後ろに引いてみないと作品の全体像が見れません。しかし遠くから見ると、せっかくの細かい書き込みや表情をじっくり見ることができません。そこでおすすめなのが、オペラグラスや双眼鏡を持っていくと、より快適により深く『スラヴ叙事詩』を鑑賞できます。ぜひ試してみてください。

 

スラヴ民族の賛歌 ミュシャ

『スラヴ民族の賛歌』

また全20作品のうち、5点が撮影OKとなっており、自分の手元に作品像を残せるようになっています。大変人気のある展示なので、なかなか作品だけを撮影するのは難しいかもしれませんが、好きだな、良いなぁと思った絵の中の登場人物の表情などに注目、アップにして撮影すると、人の映り込みを気にしなくても良いですし、自分だけの絵画として手元に残すことができます。

 

今回、グッズも素晴らしいものばかりで、特に図録は是非購入していただきたいもののうちのひとつです。きれいな装丁で、内容も展示された作品の紹介に加えて細かいキャプションが整理されており、展示を手元に残すことが出来ますし、見返せばいつでも展示の余韻を引き起こしてくれます。また、文房具やアクセサリーなど品ぞろえが豊富なので、何を購入しようかとても迷ってしまいます。観覧の記念に何か思い出になるものが見つかるはずです。

 

館内のカフェではミュシャ展とコラボしたメニューが提供されています。どれも美味しそうなので、観覧した後に疲れた足を休めつつ一服するのもおすすめです。

 

 

展覧会情報

会期   2017/3/8〜6/5

観覧料 一般1600円(団体:1400円) 大学生1200円(団体:1000円) 高校生800円(団体:600円)

    ※各種割引があります

 

 

草間彌生『我が永遠の魂』展

草間彌生 我が永遠の魂 国立新美術館

世界を舞台に現役で活躍している草間彌生の過去最大の回顧展といっても過言ではない大きな展示です。

2009年から精力的に取り組んでいる『我が永遠の魂シリーズ』の作品群を中心に、渡米する前のごく初期の作品からニューヨークで活動していた1960年代の作品、帰国後の作品、近年の作品まで彼女の生涯における作家生活の集大成を観るとこができます。

見どころとなる作品をいくつかご紹介いたします。

 

『我が永遠の魂シリーズ』

近年ずっと取り組んでいる正方形の絵画の作品群で、週に23書き上げるという驚異的なスピードで生み出し続けています。作家として衰えを見せるどころか、ますます勢いを見せ、彼女の制作への熱意や迫力を感じることが出来ます。

 

『生命の輝きに満ちて』

2000年代になってとくにインスタレーション作品への制作にも力を入れてきました。こちらは2011年に公開された作品で、全面鏡張りの暗闇の中、無数の光がきらめく空間を作品の一部になった気持ちで体感できます。

 

『オブリタレーションルーム』

草間彌生 オブリタレーション 我が永遠の魂 国立新美術館

観覧者みんなで作品を作り上げていくインスタレーション作品で、部屋の入り口でもらったシールを中の好きなところに張り付けていきます。同じ瞬間は一瞬たりともない、移り変わりながら完成していく作品作りを体験することが出来ます

 

『南瓜』

草間彌生 南瓜 我が永遠の魂

野外展示場には、巨大な黄色い南瓜が出現しています。草間彌生の代表的なシリーズでもある『かぼちゃシリーズ』のひとつです。高さ4m50㎝もあるこの作品は、圧倒的な存在感で、草間彌生の世界観に魅せられていきます。

写真撮影が可能な作品なので、展示を見に来た記念として思い出になる写真が撮れると思います。

 

 

展覧会情報

会期   2017/2/225/22

観覧料 一般1600円(団体:1400円) 大学生1200円(団体:1000円) 高校生800円(団体:600円)

    ※各種割引があります

HP   http://kusama2017.jp/ 

 

 

国立新美術館の利用情報

所在地   東京都港区六本木7-22-2

アクセス   東京メトロ千代田線乃木坂駅 青山霊園方面改札6出口(美術館直結)

      東京メトロ日比谷線六本木駅 4a出口から徒歩5

      都営地下鉄大江戸線六本木駅 7出口から徒歩4

開館時間  10:0018:00(入館は17:30まで)

      ※金曜は20:00まで(入館は19:30まで)

      ※4/295/7は毎日20:00まで(入館は19:30まで

休館日   毎週火曜

      ※5/2は開館

 

 

国立新美術館の魅力についてもっと詳しく

見どころや美術館についてご紹介しましたが、もうちょっと詳しくこちらの美術館の魅力についてご紹介します。

美術館として新しい在り方

国立新美術館は、日本最大級の展示スペース(14,000)生かして様々な展覧会を開催しています。コレクションを持たないですが、その代わりにアートセンターとして美術に関する情報や資料の収集・公開・提供、教育の役割を果たすことをメインした、新しいタイプの美術館を目指しているようです。「美術」を介して人々が様々な価値観に擦れる機会を提供できる場、相互理解と共生の視点に立った新しい文化の創造を活動方針としています。

 

3つの事業「展覧会、情報収集・公開、教育普及」

しっかりとした事業展開をもった美術館でもある国立新美術館は3つの事業を展開しています。

展覧会事業を「さまざまな美術表現を紹介し、新たな視点を提起する美術館」としていて、国内外ジャンルを問わない様々な展示を行う場として重要な役割を果たすようになっています。

情報収集・提供事業は「人と情報をつなぎ、文化遺産としての資料を収集・公開する美術館」としていて、国内の展覧会に関する情報やカタログを収集、また近代以降の美術に関する資料をも収集していて、アートギャラリーで公開しています。

教育普及事業は「参加し交流し想像する美術館」としていて、展覧会ごとに様々な講演会やギャラリートークの開催、またワークショップなどによってアートを楽しみ語り合うための場所を提供しています。今年の募集は終了していますが、ボランティアなどを募集して館内の実践的な活動の場を提供しています。

 

 

今後の展示は??

開館10周年記念を草間彌生とミュシャで上半期を盛り上げましたが、下半期はいったいどんな展示を開催するんでしょうか。

 

『ジャコメッティ展』2017/6/149/4

フランスで活躍したアルベルト・ジャコメッティの大回顧展です。彼はキュピズムやシュルレアリスムというジャンルで彫刻をメインに、油彩、素描、版画など幅広く制作しました。初期から晩年までの貴重なコレクションが一堂に会するまたとない機会です。こちらも見逃せませんね。

 

 

『安藤忠雄展―挑戦―』2017/9/2712/18

元プロボクサーで、独学で建築を学んだ異色の経歴を持つ建築家 安藤忠雄は、既成概念を打ち破る斬新な建築作品を世に送り出してきました。また建築という枠を超え環境再生や震災復興にも取り組んできました。彼がいかに生きて、いかに創り、今またどこに向かおうとしているのかを6つのセクションに分けて総計200点余りの設計資料が展示されます。模型やドローイング、スケッチなどが展示される空間デザインも彼自身が手がけます。建築という枠にとらわれない、無限の可能性を体感できる展示となるはずです。

 

まとめ

今美術館に行くなら、絶対に国立新美術館がおすすめです!

『森の中の美術館』国立新美術館は今年で開館10周年を迎えます

10周年を記念して開催される、草間彌生『我が永遠の魂』展、アルフォンス・ミュシャ『ミュシャ展』は過去最大級の展示でこれを見逃したらもったいない!

下半期の展示もまた魅力的でチェックしておくべき!

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