2017/05/25
アート/Art

岡本太郎の作品に出会える!!東京都内のパブリックアートまとめ

岡本太郎の作品に出会える!!東京都内のパブリックアートまとめ

「芸術は爆発だ!」

の名言で知られる岡本太郎

他にも多くの名言や著書を残し、日本人が最もよく知っているアーティストの一人ではないでしょうか。

 

「太陽の塔」

「座ることを拒否する椅子」

「グラスの底に顔があっても良いじゃないか」…などなど

 

彼の創作活動や行動には、常に社会の当たり前のルールに抵抗するような、反社会的・皮肉的な要素があったり、

哲学的、民俗学的な観点も見受けられます。「縄文土器」の芸術的価値を高く評価し世に広めたのも岡本太郎です。

太陽の塔をはじめとする、多くの太郎作品にはそうした「縄文的」要素が含まれています。

それらの作品の強烈なインパクトや生命力が、私たちが彼の作品に惹きつけられる理由かもしれません。

 

大阪の万博公園にある「太陽の塔」だけでなく、東京をはじめとする日本各地に太郎の作品があります。

今回は東京都内にある有名スポットをご紹介します。

中には「こんなところに!」と普段見逃してしまっているものもあるのではないでしょうか。

実は意外と身近にある岡本太郎のパブリックアート。では早速見ていきましょう!

 

銀座エリア

数寄屋橋公園「若い時計台」(1966年)

銀座5丁目の数寄屋橋公園にある「若い時計台」と名付けられたこの不思議な形のモニュメント。

1966年に東京数寄屋橋ライオンズクラブの依頼を受けて制作されました。

顔の部分が時計になっており、こちらはシチズン製

胴体部分からは「太陽の塔」にも見られるような奇妙な大小の突起がたくさん生えています。

太郎はこの作品のコンセプトに関して、

 

『八方に意欲をつきだし情熱をほとばしらせて生きるべき人間の本来の姿、若々しく、のびきった姿をうちだした』

『のびていく日本の、そして東京の象徴である』

 

と語っています。

2011年には岡本太郎生誕100周年を記念して修復作業が完了。

経年の劣化、排気ガスなどによる汚れを落とし、再び着色。設置当初の鮮やかな色彩が蘇りました。

この時計には実は昼の顔と夜の顔があります。

 

昼間も奇妙ないでたちで都会の景色に埋もれることなく存在感がありますが、夜には更にこのようなライトアップも。

カラフルな触手に、白く光った目がまるで宇宙人のよう…

夜の都会にも埋もれない、強い生命力を感じる作品です。

 

住所:中央区銀座5-1-1

アクセス:地下鉄丸ノ内線「銀座駅」からすぐ。日比谷線・銀座線「銀座駅」から徒歩3分、JR「有楽町駅」から徒歩3分

(1966年制作、1968年設置)

 

表参道エリア

こどもの城 青山劇場 「こどもの樹」(1985年)

1979年に開設された「こどもの城」のシンボルモニュメントとして1985年に設置された作品。

青山劇場、小児科クリニックなど、こどものための複合施設として開設された子供の城の玄関口に、いつもの岡本太郎作品とはまた違った印象のモニュメントが設置され、施設と同様に多くのこどもたちに親しまれてきました。

 

親や先生は、みんな一緒に、

隣の子とおんなじならいい、っていうように、

ひとりひとりの子を抑えちゃうじゃない?

だから、あの「こどもの樹」は、

親や先生やお役人たちに対する、

強烈なメッセージなのよね。

引用:「ほぼ日刊イトイ新聞」

 

生涯、岡本太郎にとっての最大のパートナーであった岡本敏子さんはこの作品についてこう語っています。

 

実はこの作品だけ他の作品よりも台が低いんだとか。

これも実は「こどもの代表でありたい」と願った太郎のコンセプト。

台が低いので大人がこどもを抱えて台に乗せたり、さらには作品に触れたりもできるよう、あえてこの高さに設定したのです。

 

よく見るとどの顔もみんな上ではなく少し下に視線が向いているんですよね。

そしてどの顔もそれぞれ特徴的ですが、どれもみんな笑顔

 

「人間はその数だけ、それぞれ、その姿のまま、誇らしくなければならない。」

 

と太郎は語っています。

この作品からは、いつもの少し尖った作風とはまた違った太郎の一面を見ることができます。

 

2012年、同館は老朽化の為閉館してしまいましたが、このモニュメントはまだ移設されておらず、現在も同じ場所にあります。

この作品は太郎のパブリックアート作品の中でも、特に人気の高く、その移設先がどうなるのか、今後も目が離せません。

この先もずっとこどもたちを見守り続けて欲しいですね。

 

住所:渋谷区神宮前5-53-1

アクセス:地下鉄「表参道駅」B2出口徒歩8分、「渋谷駅」徒歩10分(東口/宮益坂側) 「渋谷駅」(東口バスターミナル)より都営バス[渋88]新橋駅前行「青山学院前」下車すぐ。

(制作年1985年、設置年1985年)

 

渋谷エリア

渋谷マークシティ 「明日の神話」

大阪のにある「太陽の塔」と並ぶ太郎の代表作。

渋谷マークシティ内の京王井の頭線渋谷駅とJR渋谷駅を結ぶ連絡通路にあり、

通勤途中などで急いで歩いていても、ついつい気になって見てしまう作品です。

大きさは縦5.5メートル、横30メートル。とにかく巨大なこの存在感とエネルギッシュな色彩に圧倒されます。

 

元々はメキシコで建設が予定されていたホテルのロビーに設置される予定で依頼された作品でした。

1968に制作を開始、太郎は日本とメキシコを何度も行き来し、作品を完成させたそうです。

ところが結局そのホテルはオーナーの経済的事情により開業されず、以後、作品が行方不明に。

2003年、メキシコの郊外で発見され、岡本敏子がその真贋を確認。本物であることが明らかになりました。

損傷が酷かった為、岡本太郎記念現代芸術振興財団を中心として再生プロジェクトを始動。

 

「明日の神話 保全継承機構」の公式HPでは、作品の細部までブラウザ上で見ることができます。

サイト上にも修復前と修復後の写真が載っていますが、その色彩の違いに驚きます。

 

「明日の神話 保全継承機構」HP

http://www.asunoshinwa.or.jp/

 

100個以上に分断された作品の梱包を終え、2005年に愛媛県東温市で修復。翌年には汐留にある日本テレビで一般公開されました。

「太陽の塔」がある大阪府吹田市、被爆地である広島と長崎、東京の渋谷区が競って誘致活動を行いましたが、

財団が最終的に恒久設置を決定したのが渋谷区だったのです。

 

近くで見ると一枚絵ではなく小さなパネルが集合して一枚の絵になっていることがよくわかります。

今では誰もが自由に見ることができますが、それまでに様々な苦境を乗り越えた作品でもあるんですね。

 

作品のコンセプトについて

 

「原爆が爆発し、世界は混乱するが、人間はその災い、運命を乗り越え未来を切り開いて行く―といった気持ちを表現した」

 

と太郎はコメントしています。

 

作品に描かれているのは原爆が炸裂した瞬間の悲劇の瞬間

周囲には原爆雲が渦巻き、体を焼かれ苦しむ人々の姿が描かれています。中央に描かれた、燃え上がる骸骨がとても印象的です。

左下には1954年、アメリカによるビキニ環礁での核実験で被爆した第五福竜丸の姿も。

ですがこの絵を見ていると、不思議と悲しい気持ちだけでなく勇気が湧いてくるのは何故でしょうか。

 

岡本敏子さんはこう語っています。

 

「原爆という残酷な力が炸裂するのと同じくらいの強烈さで、人間の誇りのちからが燃え上がっている。

画面全体が哄笑していて、悲劇に負けていない…その先にこそ『明日の神話』が生まれるのだ、

という岡本太郎の痛切なメッセージが込められているのです」

 

原爆の恐ろしさを描いた東洋の「ゲルニカ」とも言えるこの作品。

ですが太郎が私たちに本当に伝えたかった事は悲劇を乗り越えた先の未来だったのですね。

 

2013年の東日本大震災、そして福島第一原子力発電所の事故。

新たな悲劇を体験した後、またさらに私たちにとってこの作品に対して持つ意味や印象が違ってきているのではないでしょうか。

 

「明日の神話 再生プロジェクト」の公式HPから岡本敏子さんによる音声解説のデータ(MP3)を無料でダウンロードできます。

普段何気なく作品の前を通り過ぎていた方も、この音声を聴きながらじっくり鑑賞してみてはいかがでしょうか。

 

「明日の神話 再生プロジェクト」

https://www.1101.com/asunoshinwa/

 

住所:渋谷区道玄坂1-12-1

アクセス:京王井の頭線「渋谷駅」、JR「渋谷駅」連絡通路

(制作年1968-69年、設置年2008年)

 

まとめ

以上、都内にある岡本太郎のパブリックアート、今回は有名スポットを3つご紹介しました。

太郎の作品は日本各地にたくさん残っています。

まだまだご紹介したい作品がたくさんあるので、ぜひ今後の記事にもご注目ください。

普段何気なく作品を素通りしていた方も、ぜひ時間のある時に足を止めて見てみてくださいね。

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