2018/02/19
アート/Art

0から学ぶ西洋美術史 ~盛期イタリア・ルネサンス編~

0から学ぶ西洋美術史~盛期イタリアルネンス編~

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16世紀になると、西洋美術史三大巨匠レオナルド・ダビンチ、ラファエロ、ミケランジェロが活躍した時代が到達します。

そう、盛期ルネサンス期と呼ばれる時代です。

スーパースターである彼らが芸術家として活動したフィレンツェは、その中心的存在だったメディチ家の当主ローレンツが15世紀末に他界すると政治的に混乱し美術にも陰りが見え始めます
一方世俗の教皇による宮廷化が進行していたローマ教皇庁は、バチカン宮の装飾に優れた芸術家を必要としていたたため、ラファエロミケランジェロローマに呼ばれたのも偶然ではありませんでした。

同じ頃当方貿易で利潤を蓄えたベネツィアも芸術の舞台となっていきます。新航路の発見によってかつての独占的貿易にあったベネツィアではありますが、人物主義たる芸術が花開きます。

ルネッサンスの古典主義時代

前章(ゼロから始める西洋美術史初期ルネサス編)で紹介した、15世紀イタリアの画家たちによる空間表現人体表現への様々な挑戦は、1490年頃からラファエロがなくなる1520年頃まで1つの頂点にまとめ挙げられます。

遠近法のある空間表現は、現実世界との区別ができないほどリアルになり、左右のバランスによって荘厳さが生まれます。
また、解剖学を前提とした人体表現は堂々とした質量を持ち、身振りや顔の表現によって内面が静かに語られています
こうした特徴持つ絵画が描かれたこの約30年間を、西洋美術史ではルネッサンスの古典主義時代と呼んでいます。
そして、その立役者はなんといっても万能の天才レオナルドダビンチでした。

 

レオナルド・ダビンチ

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万能の天才であったと今でも語り継がれるレオナルド・ダヴィンチですが、フィレンツェで芸術家としての訓練を受けた後、軍事技師として自分を売り込みながらミラノの君主ロドヴィコの宮廷に滞在します。
この時期、大作「最後の晩餐」は描かれます。

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堅い約束で結ばれていたキリストの弟子たちの中に裏切り者がいると言うキリストの告発に、一同騒然になるドラマチックな瞬間が表現されています。

 

複数の人物を扱う場合、この人物関係をどのように構図するのか、芸術家の最大の問題です。

それをレオナドは、三角形構図として解決します。
弟子たちが3人ずつ三角形の中に収まり、やはり三角形の構図で囲まれたキリストを含め5つの三角形が画面横に並んでいます。

また空間表現は中央のキリスト消失点を置いた精密な遠近法によって全体に厳かな雰囲気が生み出されています。
また、この作品の重要なところは、弟子たちの表情がまるで舞台俳優のように内面の動揺を表している点です。

 

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レオナルドの特徴として人間の表情をつぶさに観察し、その表情と感情との関係を見てとったと言われます。
絵の前に立つとこの場面の、臨場感や話し声がまるで聞こえてくるかのように感じます。

同じく三角構図が使われた代表作に「聖アンナ聖母子」があります。

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聖母の母アンナ聖母、そして幼児キリストをアンナの膝に聖母を座らせると言う変わったポーズでありながら、それをうまく三角形構図の中にまとめた名作です。

 

模範の天才・ラファエロ

レオナルドミラノで活躍していた頃、中部イタリアには甘美な宗教画や神話画を得意とした、画家ペルージーノが活躍していました。
軽やかな感触に、衣の柔らかな表現、また静かで厳かな雰囲気の作品を作っていました。

 

ペルージーノ作「マリアの婚礼」

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彼の弟子にあたるラファエロも彼と非常によく似た作品を残しています。
「マリアの婚礼」を上のペルージーノと見比べてみてください。

 

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構図といい人物の表現といい、ほとんど見分けがつかないのが分かります。

ルネサンス天才画家ラファエロは、模範とする芸術を素早く吸収する優れた能力の持ち主だったのです。
代表作の一つ「アテネの学堂」をみてみましょう。

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古代ギリシャの哲学者たちを一同に集め、彼らが会話し話し合う姿が画面前後のコの字型をなす自然な群像表現となって配されています。
ここで注目してほしいのが、各哲学者のがっちりとした体型ミケランジェロの影響が見てとれると言うことです。
伝えられているところでは、すぐ近くのシスティーナ礼拝堂で、誰にも見られないよう天井画を描いていミケランジェロを、こっそり観察していたとか、、。

こうしてみると、ただ真似をしているだけではないかと批判的になるかもしれません。しかし先人の様々な優れた点をいち早く吸収し、それを総合してさらに高い段階に高める事は、芸術においてはは望ましいことだったのです。

こうした彼の才能を称賛した人文主義者カスティリオーネラファエルは肖像画に描いています。

 

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こちらは、レオナルド「モナ・リザ」同じポーズをしているのがよくわかりますね。
この総合の精神こそ、古典主義絵画の完成者と言われるラファエロが、その芸術の中心に据えていたものなのです。
しかし、20歳半ばで、この画力と古典主義画家としての名声を手に入れていたのにはさすがとしか言いようがありません。

 

ミケランジェロ〜古典主義絵画の解体〜

 

発掘された古代彫刻からインスピレーションを得たという、堂々たる肉体表現が特徴のミケランジェロ
人体によって全てを語る事を追求した彫刻家であり、絵画作品でも人体を重視する傾向がありました。

前に触れたシスティーナ礼拝堂天井を飾る「男性謎」も見てみましょう。

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本来の装飾的意味を超えて人体の筋肉を作り出す固有の美しさと堂々たる威厳といった精神性が追求されています。
ここでは光と影高名なバランス、そしてねじれたポーズに注目してほしいのです。
体を捻る表現には苦しみとか怒りといった、激しい感情の動きが反映しています。
このねじれた人体の動きには、おだやかさ、静寂さ、バランスを重視する古典主義とは別の可能性を秘めています。
外面的なものより精神的なもの、さらには魂の根源に迫るような表現を求めて開いたラファエロ以後の画家たちの目に、ミケランジェロ彫刻や絵画極めて示唆的なものに映ります。

そして、この流れに敏感だった画家の1人、ラファエロ弟子ジュリオ・ロマーノがいました。

宮廷のために制作した壁画「巨人の間」を見てみましょう。

 

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怒り高ぶった巨人族が神々に戦いを挑み、敗退する場面が描かれています。

ここではパニックに陥った巨人たちの表情が、いかにもわざとらしく表されているのがわかります。
怖いと言うのはむしろ快感を覚える表情ですね。
これは古典主義のバランスわざと壊そうとする、新たな展開だったのです。

このようにルネッサンス絵画の様々な試みの合流点であり、また芸術的頂点として構成の模範となったラファエロの芸術は、ミケランジェロにより新たな絵画的可能性を追及していくことになります。

 

 

まとめ

以上が大まかではありますが、イタリア盛期ルネサンスの流れになります。

初期ルネサンスから始まり、その芸術表現は3人の大巨匠一気に花開きます。そして、少しずつですが新たな芸術表現へと展開していきます。

 

イタリアルネサンスにおいて欠かせない存在に、ヴェネツィア芸術が当てられます。フィレンツェやローマの宮廷に飾られるような神秘的であったり、きらびやかな表現とはまた違い、自然を愛した独自の芸術が展開されました。ヴェネツィア芸術を語るには少し量が多くなっていしまうので、次回に紹介しようと思います!

では、以上0から学ぶ西洋美術史~盛期イタリアルネッサンス編~でした。

 

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