ジャポニスム
Japonisme
19世紀中頃、日本が開国し、その文化が万国博覧会などを通じて世界に発表されるようになると、浮世絵や江戸絵画、工芸品など日本美術が注目されるようになり、多大な人気となりました。1876年にはジャポニスムの諸影響がフランス及びヨーロッパ各地で見られます。ヒロシゲやリンパといった名前も知られるようになりました。ジャポニスムの影響を顕著に受けたのは、画家たちでした。ゴッホの『名所江戸百景』やモネの『ラ・ジャポネーゼ』などはいい例です。また、浮世絵に見られる大胆な構図や色づかい、モチーフの使い方などにも、ジャポニスムの影響が見られます。例えば地平線が、それまでは画面株に描かれていたものが、画面上部に配されたり、あるいは画面全体が地平そのものであったりと、視覚的表現に幅が出てきます。そして、ジャポニスムは単なる一大ブームというわけではありません。画家たちは最初、ただ日本画の要素を真似していただけですが、そのうちクリムトの金箔の背景のように、部分部分に取り入れるようになります。そのようにして、ジャポニスムは西洋美術の中に溶け込んでいきました。