黄金比
golden ratio
黄金比とは四角形の辺の比率のことで、1:1+√5/2の比率を指し、近似値は1:1.618です。最も均整の取れた美しいものと言われています。この考え方の起源は紀元前古代ギリシャのピタゴラス学派に端を発するとされ、数学の命題として初めて意識したのは、ユークリッドであるとされています。黄金比を持った長方形は、そこから正方形を取り除くと、元の長方形と相似な長方形が残るような長方形です。また、正方形にだんだん小さくなる正方形を付け加えていって、完全に埋め尽くすと出来上がる長方形でもあります。この性質は自然界の創造物の中に見出すことができます。例えばシダ植物、花の構造、貝殻やハリケーンの衛星写真など。わたしたち人間が黄金比率を持つ長方形を見る時、無意識のうちに自然界の姿をそこに見出し、美しいという感覚を呼び起こされているのかもしれません。また、数学の世界で有名なフィボナッチ数列という数の並びにも、黄金比が隠れています。フィボナッチ数列の隣同士の数の比をとると、その比が次第に黄金比に近づいていくのです。つまり、フィボナッチ数列の隣同士の数の比は、黄金比の近似的な値が並んでいるということです。 黄金比を用いた代表的な歴史的建造物や美術品には、ミロのビーナス、パルテノン神殿、ピラミッド、レオナルド・ダ・ヴィンチのモナリザ、パリの凱旋門、サグラダ・ファミリア大聖堂などがよく挙げられます。現代においてもグラフィックやweb、建築などのデザインに活用されており、AppleのロゴやGoogleロゴが黄金比で構成されています。