仕立て屋の猫
Couturier Cat
藤田嗣治
作品解説
猫を愛し、生涯たくさんの猫の絵を描いた藤田。この作品には、テーブルの向こうから顔を半分だけ出して、主人の裁縫道具をじっと見つめている猫が描かれています。藤田はまた、当時の男性としては珍しく身の回りのものをことごとく手作りし、裁縫も得意な人でした。夜の社交場に着ていく衣装を自作するほどの腕前だったとか。彼の愛用の裁縫道具も、作品中にはよく登場します。この作品の猫が見つめている「仕立て屋」とは、藤田自身のことなのかもしれません。
制作年
1927年
素材/技法
キャンバスに油彩
制作場所
フランス