智・感・情
Wisdom, Impression, Sentiment
黒田清輝
作品解説
「智・感・情」は小川花と幸(こう)という姉妹をモデルに、わずか1カ月弱で制作された3枚1組の裸婦作品で、国の重要文化財に指定されている黒田清輝の傑作です。日本人女性をモデルにして描かれた最初の油彩画としても注目されています。1900年に開催されたパリ万博に「Etude de Femme(裸婦習作)」というタイトルで出品され、日本の油彩画では最高賞にあたる銀賞を受賞しました。タイトルとポーズの意味が不可解だとして、制作当時から多くの物議を巻き起こした作品ですが、黒田本人はそれぞれの意味について語っていません。「智」は画壇における理想主義を、「感」は印象主義を、「情」は写実主義を象徴しているという説が広く定着していますが、近年は新たな説も出ています。このように、作品の意味を見た人に考えさせることこそ、黒田清輝の思惑であったのではないかとも推測されます。
制作年
1897年 - 1899年
素材/技法
キャンバスに油彩
制作場所
日本