スラヴ叙事詩-スラブ賛歌
The Apotheosis of the Slavs
アルフォンス・ミュシャ
作品解説
「スラヴの歴史の神格化」は、ミュシャが1910年から1928年にかけて制作した連作大作「スラヴ叙事詩」の最終場面にあたる作品です。1918年にオーストリア=ハンガリー帝国から独立を勝ち取った新たなるチェコスロバキアを象徴化して描いた作品で、スラヴ民族の独立への願いが込められています。画面は青、赤、黒、黄色の4つの部分に分かれており、それぞれ古代スラヴ民族の栄光、戦争による流血、他民族の脅威、新しい時代の幕開けを表します。画面上部中央で聖葉で作られた輪を持ちながら両手を広げる青年は、新しく生まれたチェコスロバキアの表象で、その背後から主イエス・キリストが全体を見守り、スラヴ民族を祝福しています。画面のほぼ中央、輝く光の中に描かれる人々は、独立後のチェコの希望の象徴であり栄光の象徴でもあるのです。
制作年
1926年
素材/技法
壁画 油彩・テンペラ・画布
制作場所
チェコ