病室での死

Death in the Sickroo

エドヴァルド・ムンク

作品解説
ムンクの1890年代を中心とする一連の作品群「生命のフリーズ」の中の1点です。ムンクが青春時代に味わった死と別離の苦痛が主題で、死期が近づく姉ヨハンネ・ソフィエとその差し迫る死に対する家族の感情が描かれています。ソフィエは肺結核を患い、1877年に15歳の若さで亡くなりました。作中では、ムンク自身を含め兄弟・姉妹、父、叔母が悲しみに打ちひしがれる様子が克明に描かれ、喪服のような服装、薄暗い緑色の壁紙が彼らの悲しみを際立たせます。中でも、正面から一点を凝視してくる女性の憔悴しきった目は印象的です。死の苦痛は、ムンクにとって生涯つき纏うテーマとなりました。
制作年
1893年
素材/技法
キャンバスに油彩、テンペラ
制作場所
ドイツ
所蔵美術館
ジャンル