秋の太陽Ⅰ
Autumn Sun I
エゴン・シーレ
作品解説
「秋の太陽Ⅰ」は独特の哀愁と退廃的なムードが漂っています。これはエゴンシーレがスペイン風邪にかかりわずか28歳で亡くなるまでに手がけた風景画作品に共通して見られる特徴です。1911年にエゴンシーレは、擬人化された木の「肖像画」シリーズに着手しています。「秋の太陽Ⅰ」というタイトルですが、太陽は全く強調されておらず、画面の中心にあるにも関わらず背景と同化しています。しかし光のプリズムは暖かい印象も生んでいます。この作品は一見ただの風景画に見えますが、エゴンシーレ本人の内面にあった苦悩や落ち着き、悲しみといった心境を表現したとも言えます。
制作年
1912年
素材/技法
油彩、キャンバス
制作場所
オーストリア