夕ぐれ
Twilight
上村松園
作品解説
『夕ぐれ 』は障子を開けて、夕暮れの光で針に糸を通そうとしている女性を描いています。1941年の作品で、母親の姿を描いたものだと言われていますが、松園は1934年に母をすでに亡くしています。松園が生まれてくる2ヶ月前に父は亡くなり、母子家庭で育った松園にとって母・仲子の存在は偉大であり、一番の理解者であり、心の支えでもありました。そんな母の姿を描いたとされる『夕ぐれ 』は自然な動作の一瞬を切り取ったような繊細さが表れています。現代の画壇では「松園の前に松園なく、松園の後に松園なし」とまで言われる彼女の作品はどれも崇高で気品溢れるものばかりです。
制作年
1941年
素材/技法
不明
制作場所
京都