待月

Waiting for the Moon

上村松園

作品解説
欄干に寄りかかる若妻を簡潔な構図でまとめている『待月』は1944年、上村松園の円熟期の作品です。つまり空間の持つ奥深さと妙味を存分に発揮しており、筆の冴が見事です。「何ものにも犯されない女性の内に潜む強い意志をこの絵に表現したかった。一点の卑俗なところもなく、清澄な感じのする香り高い珠玉のような絵こそ、私の念願するもの」と公言していたように、気品ある女性像を理想とする松園芸術の昭和期の傑作の一つです。
制作年
1944年
素材/技法
不明
制作場所
京都
所蔵美術館