鴛鴦髷
不明
上村松園
作品解説
『鴛鴦髷(おしどりまげ)』 は二枚の手鏡を使って、きれいに結った自分の髷を見る若い女性が描かれた1935年の作品です。うなじを美しく描くこの作品は、後れ毛がないかきっちり確かめる女性の可愛らしさも感じられます。「一点の卑俗なところもなく、清澄な感じのする香高い珠玉のような絵こそ私の念願」という松園の言葉のとおり、松園の美人画には観る者の心を深く打つ崇高な美しさがあります。二枚の手鏡を持った何気ないシーンが、美しく優雅に描かれるのは松園の繊細な筆遣いと表現力の高さが生み出す賜物です。
制作年
1935年
素材/技法
不明
制作場所
京都