ミラールーム(かぼちゃ)
草間彌生
作品解説
ハラミュージアムアークに常設展示されているインスタレーションがこの「ミラールーム(かぼちゃ)」です。インスタレーションとは、室内や屋外などにオブジェや装置を置いて空間を構成し変化させ、その場所や空間全体を作品として体験させる芸術手法のこと。「ミラールーム」とはインスタレーションの中でも草間の代表的なシリーズで、鏡とそれによるオブジェの反復によって空間が無限に広がるような表現が特徴です。この「ミラールーム(かぼちゃ)」の本体は、鏡張りの2メートルの立方体。一か所だけ開けられた小窓から中を覗くと万華鏡のようになっており、内部もすべて鏡張りになっているので、床に置かれた大小29個のかぼちゃの立体作品が、無限に増殖してゆくように感じられます。その立方体を展示室の中心に設置し、天井・壁・床を問わず展示室の空間全体をかぼちゃと同じ黄色に塗りこめ、無数の黒いドットで覆いつくしたのがこのインスタレーションです。展示室に入ると日常とはかけ離れた強烈な空間に圧倒され、角度によっては鏡の中の自分が作品に吸い込まれたように視界から消え去り、私たちは異空間をさまよう経験を味わうのです。
制作年
1992年
素材/技法
インスタレーション(ミラールーム)
制作場所
日本