ドッツオブセッション

Dots Obsession

草間彌生

作品解説
1980年代後半、アメリカを中心に草間芸術の再評価が進んだ頃から、部屋全体に水玉の大型バルーンを配したインスタレーション作品「ドッツオブセッション」が見られるようになります。この作品は近年では、2013年の国際交流基金ベトナム日本文化交流センターにおける「草間彌生:オブセッションズ」展やノルウェーのSKMUソールランド・アート美術館における「ドッツオブセッション- Love Transformed into Dots」、2018年のシンガポールやオーストラリア、インドネシア・ジャカルタでの個展「人生は虹の心」などで披露されました。天井からつるされた光り輝く水玉のボールが四方の鏡に反射され、水玉の空間がどこまでも続くように増殖していきます。オブセッションObsessionは「妄想、脅迫観念」の意味。近現代の芸術においては、「オブセッション」はアウトサイダー・アートにおける空間恐怖とモチーフによる絵画平面の埋め尽くし表現を指す言葉として使われるようになりました。草間の芸術にはより洗練され昇華された形で、オブセッショナルな表現が顕著に表れ出ています。
制作年
1980年代後半-
素材/技法
インスタレーション