ミニマルアート

minimal art
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1950年代のアクションペインティングと抽象表現主義の反動として、1960年代のアメリカ美術で生まれた視覚芸術によるアートスタイルです。
ミニマルアートのミニマルとは「最小の・極小の」という意味があり、この呼称はイギリスの美学者リチャード・ウォルハイムが1965年に「アーツ・マガジン」に載せたエッセーの名として用いたことから転用されました。
芸術家の自己批判といった説明的な部分や装飾的な技巧を最小限にとどめ、シンプルな色や形のみの視覚的単純さを保った表現方法で、絵画や彫刻でのミニマルアート作品の多くは、反復性や対称性、連続性が強調されています。
ミニマルアートの先駆者として有名なのが、アメリカの芸術家ドナルド・ジャッドで、1965年に発表した「スペシフィック・オブジェクト」という概念では、ミニマルアートについて「絵画でも彫刻でもないある一つの物体」と定義づけています。
ジャッドは理性的で感情を抑制する芸術を目指し、近代彫刻を始め、晩年期には家具やデザイン、建築の分野でもミニマリズムを表現しています。
ミニマルアートは1960年代に大きなムーブメントを起こし、その後はコンセプチュアルアートやインスタレーションなどに派生していきましたが、ミニマリズムそのものは美術界にとどまらず、音楽や文化、建築といった様々な方面で取り入れられ、工業製品や近代建築など、現代でも大きな影響を与えています。
現代では、ミニマルから派生した造語「ミニマリスト」と呼ばれる、持ち物を出来るだけ減らして必要最小限の物で暮らすライフスタイルも注目されており、ミニマルアートの概念は現代も幅広く受け入れられています。
関連アーティスト
ドナルド・ジャッド,フランク・ステラ,カール・アンドレ,ロバート・モリス,ロバート・スミッソン,ソル・ルウィット,リチャード・セラ,ブルース・ナウマン