顔料

pigment
https://i1.wp.com/media.thisisgallery.com/wp-content/uploads/2018/12/pigment.jpg?fit=1667%2C1000&ssl=1
顔料は着色に使う不透明の粉末で、水や油、アルコールなどに溶けないものを言います。顔料を液状の固着剤に分散させたものが絵具で、固着剤が糊の役割をして色を着けたい対象に固定します。同じ色素でも水や油に溶けるものは染料といい、固着剤ではなく化学変化により紙や布を染め付けます。顔料は化粧品、塗料、印刷インキなどに用いられ、プラスチックやゴム、繊維、皮革などあらゆるものの着色に使用されています。顔料は大きく無機顔料と有機顔料に分類されます。無機顔料は土や鉱物、合成の金属化合物などから作られ、耐光、耐酸、耐薬品性の点で優れています。有機顔料は主に石油化学合成から作られ、色調が豊富でかつ鮮かな点で無機顔料に勝ります。昔から使われてきた鉱物性の無機顔料は、日本画の岩絵具として使用されます。胡粉、雌黄、黄土、朱、えんじ、群青、緑青、丹などがあり、特に天然の鉱物から作られる顔料は極めて高価なものです。洋画系の顔料でも、水銀やコバルト、カドミウムなどなど希少金属から作る絵具は、比較的高価です。昔の画家がパトロンを必要としていたり、常に貧乏生活だったりしたのも、こういった絵具が高価であったことに一因があるのでしょう。