もの派

'Mono' school
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「もの派」というのは1960年代の末に始まった日本の現代アートを代表する動向で、石、木、紙、綿、鉄板、パラフィンなどの「もの」をそれ単体や複数を組み合わせて作品として発表しました。
もの派の大きな特徴は、ものを加工して作品をつくるのではなく、素材にほとんど手を加えず、そのものの存在やそのものと人や空間とのかかわりを表現しようとしたこと。自然や環境をテーマにしている作品が多く、もの派の動向はのちのインスタレーションへとつながっています。

「もの派」という呼び名をだれが最初に使い始めたのかは不明ですが、もの派の動きは1970年代の中ごろまで続きました。
もの派を代表するアーティストは、関根伸夫と李禹煥(リ・ウーファン)、このふたりが研究会を発足し、その後は関根の後輩らも研究会に加わりました。

関根は多摩美術大学で斎藤義重の教室で指導を受けていたことから、関根伸夫と李禹煥、および関根の後輩にあたる吉田克朗、本田眞吾、成田克彦、小清水漸、菅木志雄らのもの派アーティストは「李+多摩美系」と呼ばれています。
もの派には多摩美系のほかにも「芸大系(東京芸術大学系)」や「日藝系(日本大学芸術学部系)」と呼ばれる系統があり、榎倉康二、高山登、原口典之といったアーティストたちが注目すべき作品を残しています。
関連アーティスト
関根伸夫,李禹煥,菅木志雄,高松次郎