フルクサス

Fluxus
https://i2.wp.com/media.thisisgallery.com/wp-content/uploads/2018/12/492a42d704ca3b814a1b15d13869d772-1.jpg?fit=886%2C567&ssl=1
フルクサスとは、1960年代のはじめにニューヨークを中心にヨーロッパ各地で展開された前衛芸術の動向で、その活動グループを指してフルクサスと呼ぶこともあります。フルクサスの少し前に起こっていた美術運動の「ネオ・ダダ」と似た傾向があり、このふたつはよく同時に取り上げられています。

フルクサスを提唱したのは、リトアニア出身のデザイナー兼建築家のジョージ・マチューナス、フルクサスはラテン語で「流れる」や「変化する」、「排泄(はいせつ)物の出す」といった意味があり、グループとしてのはっきりした主義主張をかかげることはせず、シンプルだけどいろんな解釈ができる表現や、ユーモアやゲーム性のある表現を好みました。

フルクサスの主なメンバーは、ニューヨーク出身の現代美術家ジョージ・ブレクトや、ドイツ出身の彫刻家兼、芸術家のヴォルフ・フォステル、東京出身の音楽家兼、芸術家のオノ・ヨーコ、ドイツの芸術家ヨーゼフ・ボイス、韓国出身の芸術家ナムジュン・パイク、日本人の美術家、靉嘔(あいおう)など。フルクサスの参加者は多国籍にわたり、全部で10カ国ほどだったと言われていますが、メンバーは流動的で、メンバーと非メンバーの区別はあいまいでした。

また、フルクサスは自分たちの活動を「イベント」と呼び、イベントは1回限りのものが多く、写真や映像によってしか過去の作品や活動を見ることはできません。
1950年代に起こった「ハプニング」というアートの動向もまた、パフォーマンスアートなど1回限りの表現を展開していましたが、フルクサスの活動はそれまでの芸術的な価値を否定する反芸術的なもので、フルクサスは「イベント」と「ハプニング」を区別していました。
関連アーティスト
ジョージ・マチューナス,ナム・ジュン・パイク,オノ・ヨーコ,靉嘔,ハイレッド・センター,ジョン・ケージ,ヨーゼフ・ボイス