ビザンティン美術

Byzantine Art

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ビザンティン美術は、ビザンティン帝国の首都コンスタンティノポリスを中心に、5~6世紀から帝国滅亡の15世紀中頃まで展開された、東方キリスト教世界の中世美術です。初期キリスト教美術を母体として、そこにヘレニズム美術やササン朝ペルシアの美術などの影響が加わった様式で、精神的な抽象性と荘厳さ、鮮やかな色彩や金地による装飾性を特徴としています。教会建築、モザイクやフレスコ技法による壁画、聖画イコン、彩色写本挿絵、象牙や金銀細工、七宝などの工芸品の分野に、華麗な一大美術を築きました。初期には首都コンスタンティノポリスのハギア・ソフィア大聖堂、モザイク壁画やフレスコ壁画、ビザンティン美術の主要ジャンルであるイコンが発展しましたが、730年皇帝レオ3世が発令した偶像破壊令から、1世紀余りの間帝国を揺るがすイコノクラスムが勃発します。イコンは崇拝を禁止される偶像との見解、敬意をささげる正統な存在との見解を行ったり来たりし、最終的に843年皇太后テオドラにより崇敬を認められることとなりましたが、以後の美術史にも影響を与え、ビザンティンでは立体の神像は作られず図像も抽象化が進みました。イコノクラスムが終結したのちの第二期には、前代の美術を再吸収しつつビザンティン様式と呼ぶにふさわしい美術が確立されていきました。その様式には、古代ヘレニズム美術の伝統である自然主義的様式と、抽象的で荘厳かつ静止的な東方様式の融合が見られます。続く第三期にビザンティン美術は最後の花を咲かせ、精緻で洗練された控えめな感情表現が表れます。ビザンティン帝国は15世紀で滅亡しましたが、ビザンティン美術はローマ、ヴェネツィア、シチリアなど拠点となる都市を通じてヨーロッパの中世美術に大きな影響を与えました。そしてアトス山をはじめとする各地の修道院において、ギリシア正教とともに現代にいたるまで守り伝えられているのです。