退廃芸術

degenerate art

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退廃芸術とは、広い意味ではナチス・ドイツによる芸術観を指してそう呼ばれています。ナチス・ドイツは近代美術や前衛芸術は「堕落したもの」であり、社会や民族感情を害するとして、その活動を禁止しました。
現代アートの礎(いしづえ)ともいえるバウハウスもまた、ナチス・ドイツによって閉鎖されています。教員たちは職を追われ、発言することさえ禁止されました。

さらには、1910年以降の「堕落した芸術」の作品を国内の美術館から押収し、「1918年から1933年までの公認美術展」という名目で、1933年にドイツのカールスルーエで展覧会を開催、それぞれの作品には現代美術を愚弄するようなタイトルがつけられ、その後も作品の押収を続けながらドイツとオーストリアの会場を4年かけて巡回しました。

その集大成として、1937年にミュンヘンで「退廃芸術展」を開催しています。狭い意味ではこのときの展示会を指して「退廃芸術」と呼びます。
全国で押収された、ワシリー・カンディンスキー、パウル・クレー、オットー・ディクス、エルンスト・バルラハをはじめ100人以上のアーティストによる現代美術の作品を、展覧会終了後は軍資金を調達するために競売にかけ、残った作品は焼却しました。

また、ナチス・ドイツは急速に発展してきたダダイズムやシュールレアリズムなどの前衛美術を禁止する一方で、伝統的な芸術の育成を行い、それを「ドイツ芸術」と呼んで「大ドイツ美術展」を開催しています。
出品する作品を制作したのはいずれもナチス御用達の画家たちで、古典主義的な風景画や人物画が展示されました。

関連アーティスト
エルンスト・ルートヴィヒ・キルヒナー,クルト・シュヴィッタース,マックス・エルンスト,マルク・シャガール,ワシリー・カンディンスキー