ゴシック美術

Gothic art

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ゴシック美術とは12世紀中頃から15世紀にかけてフランスから西ヨーロッパに広がった美術様式で、ヨーロッパの中世美術の最後を飾ることになります。「ゴシック」という言葉はゲルマン系ゴート族に由来し、「野蛮な」という意味で、ルネサンスの人々がこの時代の遺物を軽蔑的に見て使った言葉です。当時主流であったビザンティン様式からの逸脱から始まり、最終的にはヨーロッパ全土に広がって、細部描写や優雅で装飾的な表現、世俗的主題への関心を示した国際ゴシック様式として発達しました。ゴシックは本来建築に使用された言葉で、絵画よりも建築や彫刻にその特性がよく表れています。11世紀後半から12世紀にかけて興ったロマネスク美術の延長線上に位置付けられますが、ロマネスク美術の象徴的・抽象的な表現とは対照的に、人間的で写実的な表現を特徴とします。建築ではロマネスクの半円アーチに対し、尖頭アーチ、複雑な曲面天井、外壁を支える飛梁などを組み合わせ、軽やかに天に向かう独特の聖堂様式を生み出しました。また壁面は厚い壁に代わり色彩豊かなステンドクラスが取り入れられ、聖堂を光で満たしました。彫刻にも自由で新しい人間主義が目覚めます。イタリアでは壁画を中心とする絵画で急速な発展を示し、14世紀前半にはプロト・ルネサンスとも呼ばれるルネサンス美術への前駆的飛躍を成し遂げました。ローマの末期から始まった硬直した人間表現が自然な描写へと戻り始め、卵などを固着材とするテンペラの使用により、軽く明るい色を見せています。この頃の代表的な画家はチマブーエ、ジオット、ドゥッチオ、シモーネ・マルティーニなどで、具体的な画家の名前が挙がるようになってきました。