ホワイトキューブ
white cube
美術館やギャラリーで余分な凹凸や装飾が無い「白い天井に白い壁という白い立方体」の空間内に展示する方法が用いられますが、その展示空間のことをホワイトキューブと言います。
近年では、一般的な展示方法ですが、美術館が作られた当初は、床から天井まで壁一面に作品がびっしりと展示されているのが一般的で、この展示方法こそ作品を比べやすい環境と考えられていました。しかし、作品の多さゆえに1つの作品をじっくり鑑賞することが出来ないという批判から、19世紀後半から作品の展示数が減らされるようになりました。作品数が減ると壁の色が注目されるようになり、1930年にはドイツの美術館の壁で白を標準とするようになりました。その後、ニューヨーク近代美術館(MoMA)の初代ディレクターであるアルフレッド・バー氏によって、1936年「Cubism and Abstract Art(キュビズムと抽象芸術)」という展示によってホワイトキューブという展示方法が確立されました。ホワイトキューブに展示されることによって、作品は外部空間を遮断するだけでなく、展示空間そのものも作品に干渉しない環境に置き、ただ作品だけが存在するように見せることが出来ます。さらにホワイトキューブの展示方法は、単純に作品を視覚的に尊重しただけでなく、政治や社会的な外部の干渉や影響から切り離し、作品そのものを、ただ美しいものとして鑑賞するというモダニズムを規定する意味も含んだスタイルでした。
ホワイトキューブはモダンアートの時代に確立された展示方法ですが、様々な様式に移り変わった現代においても、様式に左右されることなく展示空間としてホワイトキューブが用いられています。
近年では、一般的な展示方法ですが、美術館が作られた当初は、床から天井まで壁一面に作品がびっしりと展示されているのが一般的で、この展示方法こそ作品を比べやすい環境と考えられていました。しかし、作品の多さゆえに1つの作品をじっくり鑑賞することが出来ないという批判から、19世紀後半から作品の展示数が減らされるようになりました。作品数が減ると壁の色が注目されるようになり、1930年にはドイツの美術館の壁で白を標準とするようになりました。その後、ニューヨーク近代美術館(MoMA)の初代ディレクターであるアルフレッド・バー氏によって、1936年「Cubism and Abstract Art(キュビズムと抽象芸術)」という展示によってホワイトキューブという展示方法が確立されました。ホワイトキューブに展示されることによって、作品は外部空間を遮断するだけでなく、展示空間そのものも作品に干渉しない環境に置き、ただ作品だけが存在するように見せることが出来ます。さらにホワイトキューブの展示方法は、単純に作品を視覚的に尊重しただけでなく、政治や社会的な外部の干渉や影響から切り離し、作品そのものを、ただ美しいものとして鑑賞するというモダニズムを規定する意味も含んだスタイルでした。
ホワイトキューブはモダンアートの時代に確立された展示方法ですが、様々な様式に移り変わった現代においても、様式に左右されることなく展示空間としてホワイトキューブが用いられています。