坂茂

Shigeru Ban        
1957年-
国籍
日本
 
アーティスト解説
坂茂は、紙管やコンテナなどを資材とする建築や災害支援活動でよく知られる建築家です。アメリカで建築を学び、一時期磯崎新アトリエに在籍、大学卒業後、自身の建築事務所を設立しました。坂の名前を有名にしたのは、その建築技術と豊かなアイディアに支えられた、人道的活動です。それは1994年、内戦で数百万人が難民となったルワンダで始まりました。多数の難民による大量伐採で森林破壊が深刻化したルワンダで、坂は紙管を使った避難シェルターの建設を国連難民高等弁務官事務所に提案し、採用されたのです。この経験を活かし、1995年の阪神淡路大震災時には神戸に仮設の集会所となる「紙の教会」を設計。2011年の東日本大震災で被害を受けた宮城県女川町では、海上輸送用のコンテナを積み上げて3階建ての応急仮設住宅を作りました。1995年には、建築面から被災地支援をするボランティア組織「ボランタリー・アーキテクツ・ネットワーク」(VAN) を発足。国内外の様々な被災地で支援に当たり、2013年には特定非営利活動法人化しています。VANの活動は、紙管によるログハウスや仮設住宅の建設、避難所用間仕切りシステムの提供などがあります。避難所用間仕切りシステムとは大人数を収容する避難所スペースに、紙管と布の間仕切りを導入してプライバシーを確保するのものです。それら専門知識を生かした人道的活動、革新的な素材や構造への挑戦が評価され、坂は2014年、「建築界のノーベル賞」とも呼ばれるプリツカー賞を受賞。日本人として7人目の受賞に当たります。2017年にはマザー・テレサ社会正義賞を日本人初受賞しています。VANは2016年熊本地震、2018年西日本豪雨の被災地でも活躍しました。坂茂とVANの活動は、今後の世界でますます重要性を増していくことでしょう。
経歴

    1957年 東京に生まれる。

    1978年 南カリフォルニア建築大学入学。

    1980年 クーパー・ユニオン建築学部入学。

    1982年 磯崎新アトリエ勤務。

    1984年 クーパー・ユニオン卒業、Bachelor of Architecture取得。

    1985年 坂茂建築設計設立。

    1995年 阪神・淡路大震災被災地への建築面での支援組織、NGOボランタリー・アーキテクツ・ネットワーク(VAN) を設立。阪神・淡路大震災の被災地神戸で手がけた「紙の教会」で、第41回毎日デザイン賞大賞、第3回関西建築家賞大賞受賞。

    1996年 東京ジャーナル賞受賞。「家具の家・カーテンウォールの家」で吉岡賞受賞。

    1997年 「紙の教会」で日本建築家協会新人賞受賞。

    2001年 松井源吾賞、ベスト・デザイナー・オブ・ザ・イヤー2001受賞。

    2004年 AIAアメリカ建築家協会名誉会員に選ばれる。フランス建築アカデミー ゴールドメダル獲得。

    2005年 王立英国建築家協会国際研究奨励賞、トーマス・ジェファーソン建築賞、アーノルド・W・ブルンナー記念建築賞受賞。人道的活動によりアメースト・カレッジ 名誉博士号を得る。

    2006年 王立カナダ建築家協会名誉会員となる。プリツカー賞審査員に就任、2009年まで務める。

    2008年 フランス国家功労勲章(オフィシエ)受章。

    2009年 ミュンヘン工科大学名誉博士号を得る。

    2010年 フランス芸術文化勲章(オフィシエ)受章。

    2011年 オーギュスト・ペレ賞受賞。東日本大震災被災地にて活用された「紙の建築」で平成23年度芸術選奨文部科学大臣賞受賞。

    2012年 毎日芸術賞芸術選奨文部科学大臣賞、KALMANI Prize 2012受賞。

    2013年 ボランタリー・アーキテクツ・ネットワークが特定非営利活動法人化される。

    2014年 プリツカー建築賞、アジアの変革者賞、第6回ジョワ・ド・ヴィーブル賞受賞。フランス芸術文化勲章(コマンドゥール)受章。京都市文化芸術表彰を受ける。クーパー・ユニオン名誉博士号日本建築家協会 (JIA) 名誉会員となる。

    2015年 朝日賞、重光賞、第21回クリスタルアワード、ポージー・リーダーシップ賞受賞。慶應義塾大学環境情報学部特別招聘教授に就任。

    2017年 シュヴァイホファー賞受賞。マザー・テレサ社会正義賞を日本人初受賞。紫綬褒章受章。

    2018年 金座杯大師賞受賞。