石上純也
Junya Ishigami
1974年年-
国籍
日本
アーティスト解説
若手建築家の中でもひときわアートとの親和性が高く、「建築のステレオタイプを超える」として建築界と現代美術界双方から注目を集めている存在が、石上純也です。東京藝術大学大学院美術研究科建築科修士課程を修了し、妹島和世建築設計事務所を経て独立。2000年代を代表する建築家として、「神奈川工科大学KAIT工房」をはじめ、「モスクワ科学技術博物館のリノベーションとミュージアムパークへの転換」、コペンハーゲンの「House of Peace(平和の家)」など世界各国でプロジェクトを展開してきました。石上の建築は、環境、機能、使い手によって決まるコンテクストを踏まえつつ、あらゆる建築への先入観を取り払ったところから始まります。個々の多様な価値観を排除しない自由な視点、自由なアプローチが石上の信念です。そんな石上の建築とそこに込められた思想、世界観を体現する展示会「JUNYA ISHIGAMI, Freeing Architecture」が、2018年カルティエ現代美術財団で開催されました。石上がアジアとヨーロッパで展開してきたプロジェクトの中から20件をピックアップし、構想から建造までの様々な段階を記録した映像やドローイング、新規制作の大型模型で紹介するものです。カルティエ現代美術財団では、ひとりの建築家を特集する大規模な個展は初めての試みです。タイトルの「Freeing Architecture 自由な建築」とは、2011年に執筆された雑誌「新建築」の巻頭論文のタイトルから取られたもの。マスに向けての標準化された提案が多かった近代建築に対し、それぞれが自由な価値観を持ち実現していく時代の現代建築のあり方として、石上は様々な可能性を見つめています。
経歴
1974年 神奈川県に生まれる。
2000年 東京藝術大学大学院美術研究科建築専攻修士課程修了。妹島和世建築設計事務所入所。
2004年 石上純也建築設計事務所設立。
2005年 SDレビュー2005 SD賞、キリンアートプロジェクト2005 キリン賞受賞。
2007年 東京都現代美術館「space for your future」展で「四角いふうせん」を発表し大きな話題を呼ぶ。
2008年 Iakov Chernikhov Prize 2008 最優秀賞、神奈川文化賞未来賞受賞。
2009年 東京理科大学非常勤講師に就任。contractworld.award 2009 最優秀賞、Bauwelt Prize 2009 最優秀賞受賞。「神奈川工科大学KAIT工房」で日本建築学会賞(作品)、BCS賞(建築業協会賞特別賞)受賞。
2010年 「Architecture as air: Study for chateau la coste」で第12回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展金獅子賞受賞。東北大学大学院特任准教授に就任。
2012年 文化庁長官表彰(国際芸術部門)を受ける。
2014年 ハーバード大学デザイン大学院客員教員に就任。
2018年 カルティエ現代美術財団初の単独建築家の大規模個展「JUNYA ISHIGAMI, Freeing Architecture」を開催。