浅葉克己
Katsumi Asaba
1940年-
国籍
日本
アーティスト解説
浅葉克己は国際的に活躍する日本のアートディレクターで、タイポグラフィ制作の第一人者です。神奈川工業高等学校図案科を卒業後、松喜屋百貨店宣伝部に入り広告制作や内装に従事。その頃から佐藤敬之輔タイポグラフィ研究所で文字設計を学び、桑沢デザイン研究所リビングデザイン科基礎コースに入ります。1964年に広告制作プロダクション・ライトパブリシティに入社、東レ、キユーピーマヨネーズなどの仕事で注目を集めたのち、1975年浅葉克己デザイン室を設立し、独立しました。独立後の商業ポスターの代表作に、西武百貨店の「おいしい生活。」などがあります。浅葉が優れた業績を残しているタイポグラフィとは、活字書体の選択やレイアウトなど、印刷物における文字表現の技術のことです。書体そのもののデザインや設計なども含みます。1987年、浅葉は東京タイプディレクターズクラブ(TDC)を設立。会長として運営を行う傍らアジアの文字文化に興味を持ち、研究を進める中で、中国の少数民族ナシ族に伝わる象形文字「トンパ文字」と出会うことになります。1999年には「中国麗江国際東巴芸術祭」の招待作家として現地で個展を開催。この時に制作したグラフィックデザインは、2000年東京ADC会員賞を受賞しました。トンパ文字に関連した書籍も多数出版、2008年にはトンパ文字研究の集大成ともいえる「トンパのアサバイブル」を出版しました。東京TDCは国内のみならず、オーストラリア・韓国・台湾などでも国際展を開催し、活躍の場を世界に広げています。2015年には、タイポグラフィをはじめとする浅葉の仕事の集大成とも言うべき展覧会「ASABA’S TYPOGRAPHY.」が、東京のギンザ・グラフィック・ギャラリーで開催されました。卓球六段という意外な一面も持つデザイナーです。
経歴
1940年 神奈川県に生まれる。
-----年 神奈川県立神奈川工業高等学校図案科を卒業。
-----年 松喜屋百貨店(後のピアゴイセザキ店)宣伝部に入り広告制作や内装に携わる。
-----年 桑沢デザイン研究所リビングデザイン科基礎コースに入る。佐藤敬之輔タイポグラフィ研究所において文字設計を学ぶ。
1964年 ライトパブリシティに入社。
1975年 浅葉克己デザイン室を設立。
1987年 東京タイプディレクターズクラブ(東京TDC)を設立。
2000年 「中国麗江国際東巴(トンパ)芸術祭」(1999)のグラフィックデザインが東京ADC会員賞を受賞。
2005年 デザインアソシエーション会長に就任。
2009年 「DESIGNSIGHT『祈りの痕跡。展 浅葉克己日記』の空間とグラフィックデザイン」で東京ADCグランプリを受賞。