リアル(写実)のゆくえ 現代の作家たち 生きること、写すこと

会期終了

Information

 
会期2022年6月12日〜2022年7月21日
会場 足利市立美術館
入場料 一般710(560)円、高校・大学生500(400)円、中学生以下無料
( )内は20名以上の団体料金
*6月12日(日)は「栃木県民の日」協賛で観覧無料となります。
*各種障がい者手帳をご提示の方と付添者1名は無料となります。
*「あしかがいきいきパスポート」をお持ちの方、および両毛広域都市圏内にお住まいの65歳以上の方は無料です(住所・年齢を確認できるものをご提示ください)。
*第3日曜日「家庭の日」(6月19日、7月17日)は、中学生以下のお子さまを同伴のご家族は無料となります。
開館時間 午前10時~午後6時(入館は午後5時30分まで)
休館日 月曜日(ただし7月18日は開館)、7月19日(火)
住所 〒326-0802 栃木県足利市通2-14-7
アクセス 電車/
・JR両毛線「足利駅」下車、徒歩10分
・東武伊勢崎線「足利市駅」下車、徒歩10分

バス/足利市生活路線バス「美術館前」下車
地図 Google MAPで見る
公式HP http://www.watv.ne.jp/ashi-bi/2022-Real.html

展示内容・解説

幕末から明治初めに流行った生人形の迫真の技は、当時の日本人はもとより、来日した西洋人にも大きな衝撃を与えました。人類学者C.H.シュトラッツは「解剖学の知識もなしに強い迫真性をもって模写することもできる」生人形師の力量に感嘆しました。
 高村光雲も西洋由来ではない写実を気付かせた存在として、松本喜三郎をはじめとする生人形師を敬慕しています。
 ここで重要なのは、写実表現はそもそもこの国にあったということです。江戸期の自在置物や鋳金は対象を精巧に再現しています。西洋の文化受容による「美術」の枠組みが成立すると、生人形や置物は、その定義から外され、美術史の表舞台からは姿を消しますが、対象を生きているように、あるいは寸分たがわず写し取りたいという意欲は存続しました。それは、細部への過剰なこだわりや「もの」に命が宿るという非西洋的なアニミズムも大きく作用したことでしょう。こうした心情が根底にあり、その表現方法として新たに西洋由来の写実技法が加わったとみることができます。これは既存の写実の方法や感性を上書きする、もしくは書き替える作業であったことと思われます。
 今また写実ブームが到来しています。現代の作家も対象に没入することにより生々しさを帯びた作品を生み出しています。そこには先祖返り的な要素も見受けられます。これは旧来の伝統的な写実が息づいている証です。連綿と続く写実の流れが、いわば間歇泉(かんけつせん)の様に、息吹となって彼らの作品を介して噴出しているのです。また、彼らの作品には近代的なものと土着的なものが拮抗し、新たな写実を模索している姿勢も見出せます。このような傾向は、高橋由一まで遡ることができます。
 本展は、松本喜三郎らの生人形、高橋由一の油彩画、明治期の金工作品を導入部として、現代の絵画と彫刻における写実表現を検証するものです。西洋の文脈のみではとらえきれない日本の「写実」が如何なるものなのか、またどのように生まれたのか、その手がかりを探ります。
(公式HPより)

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