ヴォイド オブ ニッポン 77 展 戦後美術史のある風景と反復進行

会期終了

Information

 
会期2022年8月15日〜2022年9月25日
会場 GYRE GALLERY
入場料 無料
開館時間 11:0020:00
休館日 8月22日(月)
住所 東京都渋谷区神宮前5-10-1
公式HP https://gyre-omotesando.com/artandgallery/void-of-nippon77/

展示内容・解説

フランスの哲学者ロラン・バルト(1915〜1980)は、「表徴」が溢れている中心のない空虚な日本に注目し、それを「意味の帝国」に対し「表徴の帝国」と表現した。 天皇、都市、女形、すき焼き、礼儀作法、パチンコ、学生運動も表徴であって、意味から解放された日本文化の自由度を描写した。 そして、「意味の帝国」に対し「表徴の帝国」は、西欧的な「意味」への脅迫的な執着からの解放と いう捉え方を提示した。日本文化は、記号群(シニフィアン)の連鎖が意味(シニフィエ)によって停止されることなく連鎖し展開していく。 この「日本」の捉え方を別の角度によって反転すると「日本はなくなって、 その代わりに、無機的な、からっぽな、ニュートラルな、中間色の、富裕な、抜目がない、或る経済的大国が極東の一角に残る」 *2という自決する数ヶ月前に遺した三島由紀夫(1925-1970)の言葉が今の日本に反響する。 ロラン・バルトと三島由紀夫の双方が捉えた日本の「空虚」を前提にして、 現代活躍している次世代の日本の作家によって戦後美術家たちを逆照射(反復進行*1)し、 意味から解き放たれた中心のない空虚な戦後美術史のある風景を浮かび上がらせていく。 今年8月に太平洋戦争終結から77年が経過する。77年というのは明治維新から太平洋戦争終結までと同じ長さである。 つまり、1868年から1945年までが77年間、そして1945年から2022年までが同じく77年間である。戦前と戦後の長さが同じになる。 このような歴史的連続性を前提にして、「戦後美術史のある風景と反復進行」をテーマにした展覧会を企画した。 本展に出品される作品が、作品単体では完結されず時代を超えて反復から連鎖へ、そして転移していく様態を提示し、 結果的に全ての出品作品は自ずと時代的連続性を表象することとなる。 このことを本展では「反復進行」*1と呼んでいる。本展の構成趣旨は、 「日本」の戦前や戦後の時代精神を担った作家と現代活躍している新たな世代を代表する作家へと連繫し、時間の連続性を浮かび上がらせ、 さらに昭和、平成、令和を通してそれぞれの時代精神を対象化し、そしてわれわれが今後何処へ向かおうとしているのかを問いかけていくものである。
(公式HPより)

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