長沢 秀之|『「C 通信」- 目の記憶-』
Information
会期 | 2022年9月10日〜2022年10月15日 |
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会場 | GALLERY MoMo 両国 |
入場料 | 無料 |
開館時間 | 火曜~土曜/11:00~19:00 |
休館日 | 日曜・月曜・祝日 |
電話番号 | 03-3621-6813 |
住所 | 〒130-0014 東京都墨田区亀沢1-7-15 |
アクセス | ○地下鉄大江戸線両国駅A3出口(改札正面エレベーターがA3出口になります)より徒歩2分。 ○JR両国駅東口より徒歩約5分 |
地図 | Google MAPで見る |
公式HP | https://www.gallery-momo.com/current-ryogoku |
展示内容・解説
GALLERY MoMo 両国では、9月10日(土)から10月15日(土)まで長沢秀之の個展『「C通信」- 目の記憶-』を開催いたします。
長沢秀之は1947年埼玉県生まれ、72年武蔵野美術大学卒業後、映画制作などを経て、79年から美術作家として本格的な活動を始め、ギャラリーや美術館で絵画作品の発表を続けてきました。また2018年まで武蔵野美術大学油絵学科で若手作家の指導、 育成にあたり(現在、同大学名誉教授)、2018年からは神戸芸術工科大学の客員教授としても学生の制作指導に取り組んでいます。
初期作品の「風景-◯◯」シリーズでは、ひとが存在しうる「風景」を追求し、そこから見ることの仕組み(メガミル)や描かれるものの大小と遠近の問題などを提起する作品を発表し続けてきました。
2000年から進めてきたドットによる作品の皮膜シリーズでは、2次元の平面に奥行きが生じるという絵画の原初的疑問に応えようとしています。一方で2014年の当ギャラリーで発表の「絵画の中のあらゆる人物は亡霊である」展、ドローイング+文章の「心霊教室」展、2017年の「未来の幽霊」展などは、画像がもつ人間とは別の視覚の解釈に絵画の奥行きを重ね、空間だけでなく時間や記憶の問題も提起してきました。
また、1954年の映画「ゴジラ」への敬愛から始めた学生とのコラボレーションによる「大きいゴジラ、小さいゴジラ」展は、 ビキニ環礁での米国の核実験の被爆と福島原発事故を結びつけ、深刻な問題と制作の楽しさが混じった展示として、いくつかの美術館でも展示され、大きな反響を呼びました。さらに2015年から続く「対話『私が生まれたとき』」は、奄美や神戸の住民との対話を通して生まれたプロジェクトで、ドローイングとことばによる展示のかたちは今回の展示にもつながっています。
こうしたプロジェクトの発表のさなか、新型コロナのパンデミックがおこりましたが、長沢はそれに抗するようにその頃見た夢をドローイングで追い、テキストを書き、2020年3月半ばから『C通信』としてウェブ上で発表をし始めました。作品、展覧会 のタイトルともなっている『C通信』のCは、COVID-19、CORONAのCであり、C通信とは未知のウィルスを含めた目に見えない相手との「交信にならない通信」であると言えます。本展では、この『C通信』で制作したドローイングを140点余展示しますが、それらは原画を撮影し、さらにその画像に手を加え、顔料インクでプリントアウトしたものです。
「絵コンテが実際の映像になるその半ばの感じ」と長沢が語るように、実際のドローイングから、一歩押し進めた“機械的顔料” による画像は、夢のなかの暗闇から取り出した、できたてのイメージとも言えましょう。そこで語られることも、“死者のこたつ” をはじめとして、震災、実際の死、植物人間、地球外生物、不死のほか、ウラシマタロウや“石になる” ことなど、現実の深刻な問題に接続しながら時空をかけめぐるSFともなっています。またモノクロの作品と対照的に、「記憶」と結びつく色として90年代に制作した未発表の油彩作品数点も展示予定です。
「COVID-19 が生に対する質問だとすると、ドローイングはそれへの応答のようなものです。」と語る長沢の作品を是非ご高覧ください。
(公式HPより)
アーティスト
- 長沢 秀之