カンタム テレポーテーション / Quantum Teleportation
Information
会期 | 2023年1月14日〜2023年2月5日 |
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会場 | 駒込倉庫 |
入場料 | 無料 |
開館時間 | ⾦-⼟曜⽇ 12:00-18:00 / ⽇曜⽇ 12:00-17:00 |
休館日 | ⽉・火・水・⽊曜日 |
住所 | 東京都豊島区駒込2-14-2 |
アクセス | JR山手線駒込駅東口より徒歩2分、東京メトロ南北線駒込駅4番出口より徒歩2分 |
地図 | Google MAPで見る |
公式HP | https://www.komagomesoko.com/post/706118201839435777/%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%A0-%E3%83%86%E3%83%AC%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%86%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3-quantum-teleportation |
展示内容・解説
堀内悠希は、身の周りの事物や自然界の事象を見つめ、そこに内在する時間や普遍性、偶然と因果を捉えながら、ドローイングや映像を中心に様々な手法で表現してきました。それは、古代の人々が無数の星に身近なもののイメージを重ね名付けることで星座を生み出してきたように、たわいもない日々の一端が普遍的な事象へと繋がる瞬間を見出すような行為であり、世界の有り様を探る試みともいえます。
「カンタム テレポーテーション」とは、粒子が異なる場所に瞬間移動するわけではなく、古典的な通信手段と量子もつれの性質を利用して、遠く離れた場所に一瞬で未知の量子情報を転送することをいいます。量子もつれの関係にあるペアの二つの量子のうち、一方の状態を観測した瞬間、もう一方の状態は観測せずとも確定してしまうことからこの名が付いたように、本展において堀内は「カンタム テレポーテーション」ということばを手がかりに、「多重で、距離のある場所や時間、出来事の中に、偶然のような必然を確かめること」を試みます。
本展では、作家にとってどちらも初めての試みとなる16mm映像やセラミック作品が相互に関係しあいながら展示空間を形成します。物質としては存在しない「焔」の姿かたちを異なるアプローチで象り、時に自分ではコントロールしきれない素材の特性に出来上がりを委ねながら、作品として出現させます。これらは、素材と制作手法も相まって、実在と非実在は未分化されることなく現実と創造のはざまを往還し、目の前の事象の複眼的な見方を示唆に富んだ方法で提示します。そのほか、マンガの吹出しをモチーフとしたスピーチバブルの作品など、馴染みのある作品を今までとは異なる文脈に組み込むことで、パズルのピースを一つ一つはめるようにあらたな景色を浮かび上がらせます。
目の前の一事象は、普遍的な要素を孕みつつ、壮大な時間軸上や遠く離れた場所のどこかで万事に繋がり、作家が捉える世界の外側にも無限に広がる世界があることを教えてくれます。こうして堀内は、イメージの連鎖を生み出しながら、受け手の想像の解釈を動かしていくのです。
このような試みは、可能性の提示に過ぎないかもしれません。しかし、堀内の思索と表現が有機的に拡がり鑑賞者に連鎖した時、作家のささやかな表現の中に世界を想像する糸口、連綿と続く創造や真理も潜んでいることに気づかされるのです。
ぜひ、この機会にご高覧いただけましたら幸いです。そこには、堀内による世界を探求するための実践が顕然としていることでしょう。
(公式HPより)
アーティスト
- 堀内悠希