時を運ぶ船

The Boat which carries Time

塩田千春

作品解説
「時を運ぶ船」は奥能登国際芸術祭2017にて展示された、塩田千春によるインスタレーション作品です。塩田(えんでん)が多くみられる外浦大谷地区に、自分のルーツにつながるものを感じた塩田(しおた)千春は、旧清水保育所を作品会場に選びました。どんなに苦しいことがあっても、塩づくりを守らなければならないという地元の方の心に感動し、この作品を制作しました。木舟から生えているかのような真っ赤な糸は上へ上へと伸び、天井を覆い尽くしています。まるで血液のような赤い糸からは、強い生命力が感じられます。この作品に関して塩田千春は「能登の塩づくりには、いまも生きた技法と人々の物語がある。私が作る《時を運ぶ船》はそう言った人々の歴史や生活を乗せて、人の心と記憶を赤い糸で運んでいく。」と語っています。
制作年
2017年
制作場所
日本
所蔵美術館
    奥能登国際芸術祭2017