生命のダンス

Dance of Life

エドヴァルド・ムンク

作品解説
作品のテーマは「愛」と「死」、そしてそれがもたらす「不安」。主に1890年代に制作された有名な「叫び」など一連の作品群を「生命のフリーズ」と称します。1899年から1900年にかけて制作されたこの「生命のダンス」は「生命のフリーズ」の最後を飾る大作で、シリーズの集大成とも言えます。「生命のダンス」という題名から、生命を謳歌する喜びの作品であるかのように思われますが、実際に絵を見ると、「生命のフリーズ」の他の作品と同様、ムンクの屈折した心情が伝わってきます。踊る男女は躍動感に満ち、白いドレスの女性は明るい表情をしていますが、一方の黒いドレスの女性はやつれた頬に沈んだ表情を浮かべています。3人の女性は女性の人生の段階や多面性を表しているという解釈や、「生命のフリーズ」における正の要素「愛」と負の要素「死」「不安」をそれぞれ象徴しているという解釈がなされています。また「ダンス」も必ずしも喜びの表現ではなく、ムンク自身が「狂ったように踊っている」と述べたように、人々の狂乱を表したものだと考えられなくもありません。
制作年
1899年-1900年
素材/技法
油彩
制作場所
ノルウェー
所蔵美術館
ジャンル