桟橋の少女たち

The Girls On The Bridge

エドヴァルド・ムンク

作品解説
「橋の少女たち」は、ムンクの作品の中で最も幅広い人気を得た作品です。19世紀の終わりから彼の晩年にいたるまで、数多くの異なる絵画や版画のバージョンが制作されました。描かれているのは、夏のバカンスにムンクが利用していたオースゴールストランのフィヨルドの風景と、そこに架かる橋の風景です。「叫び」に描かれた場所と同じ場所で、ムンクはおそらく「叫び」と逆方向、港の方角に背を向けて描いていると考えられています。白、赤、緑の服を着た3人の少女が橋の上に並んで立ち、水面を見つめています。橋、白い家、リンデンの木、白いフェンス、そして緑が点在した砂地とフィヨルドの湾曲が曖昧な境界線の中に描かれます。空は鈍いターコイズブルーで、弱々しい光の満月がかかっています。詩情溢れる情景でありながら、融解し一体化していくような背景に、どこか不安をそそられる画面です。
制作年
1901年
素材/技法
キャンバスに油彩
制作場所
ノルウェー
所蔵美術館
ジャンル