叫び

The Scream

エドヴァルド・ムンク

作品解説
「叫び」はムンクの最も有名な作品であり、また表現主義の作品としても、最も有名なものだと言ってよいでしょう。1890年代に制作された「愛」と「死」と「不安」をテーマとする作品群「生命のフリーズ」の中でも、最も有名な作品です。ムンクは油彩、パステル、リトグラフ、テンペラで同じ題名、同じ構図の作品を描いており、「叫び」と題する作品は全部で5点存在します。この作品は5点中最も有名な、最初に描かれた油彩のバージョンです。血や油膜を思わせるような強いオレンジ色の空を背景に、表現主義風にデフォルメされた苦しい表情の人物が描かれています。ムンクはその日記に、フィヨルドのほとりの道を歩いていた時、不安と共に、炎のような血と舌が街並みに覆いかぶさり自然を貫く叫び声がするのを感じたという体験を記しています。ムンクの不安と外界の脅威、両者の境界が融解し、どちらがどちらに起因するとも分からない恐怖なのかもしれません。
制作年
1893年
素材/技法
油彩
制作場所
ドイツ
所蔵美術館
ジャンル