隠者たち

THE HERMITS

エゴン・シーレ

作品解説
オーストリアの表現主義を代表するエゴンシーレは、表現主義・ウィーン分離派の第一人者グスタフクリムトから多くの影響を受けています。二人の人物を描いたこの「隠者たち」はエゴンシーレ本人とグスタフクリムトを表現しています。左がエゴンシーレ、右がグスタフクリムトです。エゴンシーレは1907年に17歳の時に、ウィーン分離派として活躍するクリムトに弟子入りしています。この時グスタフクリムトは45歳で、すでにウィーンの美術界の巨匠として名の知れた存在でした。エゴンシーレはそんなグスタフクリムトを称賛していましたが、どこか反抗的な表情をしています。この作品は生と死をテーマにした作品であり、自分の師を称賛しつつも独自の表現へ進むエゴンシーレの内面を映し出すようにも見えます。作品からもわかるようにグスタフクリムトが華美で装飾的な表現を好んだのに対し、エゴンシーレは退廃的で悲しみを帯びた表現へ向かうこととなりました。この黒い服はグスタフクリムトが実際によく着ていたものだと言われています。
制作年
1912年
素材/技法
油彩、キャンバス
制作場所
オーストリア
所蔵美術館
ジャンル