枢機卿と尼僧(愛撫)

Cardinal and Nun (Caress)

エゴン・シーレ

作品解説
エゴンシーレはウィーン分離派の第一人者であったグスタフクリムトから多くの影響を受けています。この作品は1912年にグスタフクリムトの代表作「接吻」へのオマージュとして作成されました。ですがエゴンシーレの作品ではグスタフクリムトの金色の華やかな背景と装飾は消え去り、代わりに真っ黒で不気味な雰囲気の漂う作品に仕上がっています。1912年はエゴンシーレがグスタフクリムトに弟子入りしてから5年が経過した時期であり、この時彼はすでにグスタフクリムトの絵画表現から抜け出し独自の作風を確立していました。シーレはこの奇妙な抱擁の作品を「愛撫」と呼び、枢機卿の尼僧に対する性的欲望が伺えます。
制作年
1912年
素材/技法
油彩、キャンバス
制作場所
オーストリア
所蔵美術館
ジャンル