二人の子と母

Mother with Two Children

エゴン・シーレ

作品解説
「二人の子と母」はエゴンシーレによって1917年に制作された作品です。1918年にスペイン風邪により28歳の若さで亡くなる前年の作品になります。この作品を製作する前にエゴンシーレは別に母と子を描いた作品を残しています。「死せる母Ⅰ」というタイトルで、その名の通り作品の中で母親は死に絶え、対照的に赤ん坊は赤々と血色よく描かれています。その作品は生と死をテーマにしており、愛人を妊娠させてしまい、中絶手術を受けさせたエゴンシーレ自身の体験を反映させているといえますが、この「二人の子と母」の絵にはそのような悲劇的なテーマは見られません。エゴンシーレはこの絵に描かれた子供たちのモデルに、妹ゲルティと親友アントン・ペシュカとの間に生まれた甥を採用しています。
制作年
1917年
素材/技法
油彩、キャンバス
制作場所
オーストリア
ジャンル