苦しみ

Agony

エゴン・シーレ

作品解説
「苦しみ」と題されたこの作品はまさにエゴンシーレの画家としての苦しみを表しています。絵の中の2人の人物は特定の人物だと結論づけることはできませんが、エゴンシーレとグスタフクリムトと考えることもできます。エゴンシーレは1907年にグスタフクリムトに弟子入りしますが、グスタフクリムトの絵画表現から抜け出し独自の作風を確立しようとしていました。この絵では自分の師を称賛しつつも独自の表現へ進むエゴンシーレの内面を映し出すようにも見えます。エゴンシーレの別の作品「隠者たち」にも同じようにグスタフクリムトとの関係が表現されていると言われていますが、この作品には暖色系の色彩が多く使用されており「隠者たち」とは全く異なっています。
制作年
1912年
素材/技法
油彩、キャンバス
制作場所
オーストリア
ジャンル