Betty
Betty
ゲルハルト・リヒター
作品解説
ゲルハルト・リヒターは一人の画家としては異例なほどさまざまなスタイルを持つ画家です。中でも『Betty』はフォトペインティングと呼ばれる手法を用いた作品で、フォトペインティングとは写真を大きく引き伸ばし、それを筆で描いていく手法です。そのため写実的な作品となり、遠くから見ると一見普通の写真のようです。100年ほど前まで、絵画は人物を描く肖像画であれば写実性が求められましたが、写真の発明で絵画の写実性という役割がなくなり、印象派やキュビズムなど画家たちは写実性からかけ離れた表現をするようになりました。この写真の時代にゲルハルト・リヒターはあえて写真からペイントを起こすという、逆説的な手法を採用したのです。
制作年
1988年
素材/技法
キャンバスに油彩
制作場所
ドイツ