ローヌ川の星月夜

Starry Night Over the Rhone

フィンセント・ファン・ゴッホ

作品解説
「ローヌ川の星月夜」は、ゴッホがアルル時代に描いた夜景の1枚です。描かれているのは当時ゴッホが借りていたラマルティーヌ広場に面する「黄色い家」から徒歩1、2分のところにある、ローヌ川岸からの眺めです。夜空と灯りの鮮やかな対比は、同時期に描かれた「夜のカフェテラス」や後の傑作「星月夜」にも表れる主題です。ゴッホにとって、夜景とその色彩を描くことは、大きな表現上の挑戦でした。ゴッホは弟テオや妹ウィルに宛てた手紙の中で、この作品の構想についてこのように語っています。「今絶対に描きたいのは星空だ。夜は昼よりずっと色彩豊かなのだ」「二つの補色の対比により恋人たちの愛を表現する……暗い背景の上の明るい色調の輝きにより思想を表現する。そしてある星により希望を表現するのだ」青と黄色。光と闇。街のガス灯の明かりと澄んだ高貴な星の光。男と女。試練と希望。色彩とその対比表現に、ゴッホが絵に込めたその野心が見えます。
制作年
1888年
素材/技法
油彩
制作場所
フランス
所蔵美術館