二羽の鳥をかかえた黄色い服
Yellow Dress with 2 Bird
イケムラレイコ
作品解説
『二羽の鳥をかかえた黄色い服』の制作は、イケムラレイコが人間の「重心」に関心を持ったことがきっかけで制作されました。地を離れ高いところへと重心を移すことだけが決して崇高というわけではなく、反対に重心を地へ近づけたいという本能を誰もが持ち得ており、それは救いであると彼女は語っています。自由に飛び立つ鳥がモチーフであることからも、アーティストの特異な表現性を感じることができる作品です。イケムラレイコは1970年代にスペインに渡り、その後スイスで現代美術家として本格的に活動を開始、1980年代からはドイツを拠点に活躍をしています。海外での活動を通し、地球上に存在する共同体にいながらも他者であり続ける自らを象徴するように、相対するものの中間に存在する揺らぎを表現し、人間の存在と多様性を根源的に問い続けています。
制作年
1996年
素材/技法
テラコッタ、施釉
制作場所
不明