猫と食卓

Cats and table

猪熊弦一郎

作品解説
猪熊弦一郎は「一度に1ダースの猫を飼っていた」ほどの無類の猫好きとして知られ、作品のモチーフとしても猫は重要な存在でした。「美術館は心の病院」という言葉を残しており、猪熊弦一郎にとって猫は癒しであり大切な存在でした。そんな猫たちを描いた『猫と食卓』は遠近法が無視され、少ない色数で表現されています。1902年に生まれた猪熊弦一郎は、30年代にはフランスでアンリマティスに学びました。この作品にはそんなマティスの影響が大きく見られます。セザンヌのリンゴのような構成、マティスのような色使いは、彼がフランスで様々な刺激を受けたに違いないことを意味しています。しかし自らの画風を模索していた彼は、マティスの影響からなかなか抜け出せなかったというジレンマもあったようです。
制作年
1952年
素材/技法
油彩・カンヴァス
制作場所
日本
ジャンル