麗子像

Portrait of Reiko

岸田劉生

作品解説
「麗子像」は岸田劉生を代表する一連の作品で、劉生は愛娘をモデルにした多数の「麗子像」を制作しました。この作品は8歳になる麗子を描いたもので、「麗子像」のなかでも最高傑作とされ、「麗子微笑」のタイトルで国の重要文化財に指定されています。劉生は北方ルネサンスの作品に大きな影響を受けており、口角を上げて微笑んでいる表情はダ・ビンチの「モナ・リザ」を思わせます。幼い子供には似つかわしくない神秘的な微笑が印象的で、黒く塗りつぶされた背景は不思議な世界観をつくっています。毛糸の質感が極めて写実的に描がれているのに対し、顔と手の大きさはアンバランスで、しなやかな指先はまるで大人の手指のようですが、これらのアンバランスによる違和感こそが見る人を惹きつけ、岸田劉生の世界へ引き込まれます。
制作年
1921年
素材/技法
キャンバスに油彩
制作場所
日本
所蔵美術館
ジャンル