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ART

バンクシーがウクライナで新作を発表、キエフ近郊で7つの作品が見つかる

神出鬼没、正体不明のストリートアーティスト、バンクシー。

今回、バンクシーの約1年ぶりとなる新作がウクライナのキエフ近郊で多数発見され、世界で大きな話題となりました。

 

日本時間の11月12日、バンクシーの公式Instagramには、ロシア軍によって破壊されたビルの壁面に新体操をする少女を描いた作品が投稿され、200万を超えるいいね!を獲得。

他にもキエフ近郊の各都市に合計7つの絵が発見されており、11月18日には、バンクシーがウクライナで制作した全ての作品とその制作風景、現地の人々を撮影したショート動画が新たに投稿されました。

動画内には「in solidarity with the people of ukraine」のメッセージが掲げられ、ロシア軍の侵攻から半年以上が経ち、世界の関心が薄れかけているウクライナに住む人々に大きな勇気を与えました。

 

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バンクシーがInstagramにウクライナでの新作を投稿

 
 
 
 
 
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正体不明のアーティスト、バンクシー。

彼の作品は社会的・政治的なメッセージを含んだものが多く、これまでにも、イスラエル軍による紛争が頻発するパレスチナ自治区(ガザ地区)やヨルダン川西岸地区、フランスのカレー難民キャンプなど、国や民族同士の対立、難民問題に関係する場所で作品を発表してきました。

 

今回、1年ぶりにバンクシーが新作を制作したのは、ロシア軍による侵攻が続くウクライナ。

日本時間の11月12日、バンクシーの公式Instagramに、ロシア軍によって破壊されたビルの壁面に新体操をする少女を描いた作品が投稿され、その他にもキエフ近郊の各都市で合計7つの作品が発見されました。

 

ウクライナの新作をまとめたショート動画を投稿

 
 
 
 
 
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日本時間の11月18日、バンクシーの公式Instagramに、ウクライナで発見された他の6作品を含む、バンクシーの新作7点を撮影したショート動画が投稿されました。

動画内ではウクライナの音楽と共に、制作用のステンシルの型を準備する様子や、制作場所の近くに住む住民のインタビューなどが流れ、動画の途中にはほんの一瞬ですが「in solidarity with the people of ukraine」のメッセージが写っています。

 

瓦礫の中で新体操をする少女

バンクシーの公式Instagramに投稿された新体操をする少女を描いた作品は、ウクライナ・キエフから北西に約1時間の場所にあるボロディアンカという街で描かれました。

この地域は2022年3月、ロシア軍の侵攻が始まった直後に占領された場所の一つです。

 

少女の絵は、ロシア軍の爆撃によって破壊された建物の壁に描かれました。

倒立をする少女の両手は瓦礫に埋まっており、挟まれているようにも見えます。

 

少年に投げ飛ばされる黒帯の男

ボロディアンカの別の場所では、破壊された住居の壁に描かれた、成人男性を投げ飛ばす少年の絵が発見されました。

投げ飛ばされている男性は黒帯の有段者のようにも見えます。

 

柔道家として知られ、ウクライナに侵略した後、国際柔道連盟から全役職を解任されたプーチン大統領を風刺したものと捉える声もあります。

 

首にコルセットを巻いた新体操の少女

キエフ近郊の街イルピンでは、新体操の少女がリボンを持って演技する様子を描いた作品が発見されました。

少女の首にはコルセットのようなものが巻かれており、顔もうつむき加減に見えます。

イルピンはロシアの侵攻直後、特に大きな被害を受けた地域で、ロシア軍によって数百人の一般市民が殺害されました。

 

シーソーで遊ぶ子供の絵

キエフ市内の独立広場にあるコンクリートブロックには、2人の子どもたちがシーソーで遊ぶ様子を描いた作品が発見されました。

この作品は、キーウ市内に車止めとして置かれたコンクリートの防御ブロックに描かれ、手前に置かれた鉄骨製の車止めをシーソーに見立て、子ども2人がシーソーに乗っているように見えます。

 

ミサイルを積む軍用トラック

キエフ市内の路上には、もともとあった男性器の落書きに軍用トラックを描き加え、ミサイルに見立てた作品も発見されました。

トラックの車体にはウクライナ侵攻を支持するシンボルとして使用されているアルファベットの「Z」の文字が。

ロシア軍を皮肉り、侵攻に反対の意を示す意図で描かれたのでしょうか。

バンクシーらしいユーモアを感じる作品です。

 

消火器を持つガスマスクの女

キエフ近郊の都市ホストメルでは、破壊された建物の黄色い壁に、ガスマスクを着けた女性が、消火器を持って立つ姿が描かれています。

ガウンを着た女性の頭にはカーラーが巻かれたままで、一般市民が戦争によって奪い去られた日常を想起させます。

ホストメルもまたロシア軍の激しい空襲に遭い、深刻な被害を被った地域です。

 

浴槽で体を洗う男

キエフ近郊のゴレンカに描かれたのは、破壊された住居の浴槽で体を洗う男性。

ウクライナでいかに多くの人々が生活を奪われたかを端的に示しています。

 

バンクシーの正体は?グループで制作していた?多数の目撃情報

制作中のバンクシーを目撃した地元住民は、「救急車のような車に乗っていた。作業着を着ている人が4、5人いて、動作がすごく速かったです。型紙を使って、スプレーで描いていました」とコメントしています。

また別の目撃情報では「ひげもあって、45〜50歳以下だと思う。彼が団体の中で一番年上に見えた。他の手伝いをしていた人は、30〜35歳くらいだった」というコメントもあり、バンクシーは個人ではなくグループなのでは?という噂が飛び交っています。

 

 

約1年ぶりに公開された、バンクシーのウクライナでの新作。

バンクシーはロシア軍による侵攻によって大きな被害を受けたキエフ近郊を舞台に、自身の作品を通して、戦争に巻き込まれた人々がいかに深刻なダメージを受けているかを示し、ウクライナの人々にエールを送りました。

多数の目撃情報が上がっていることから、彼の正体が判明する日も近いかも知れません。

今後もバンクシーの活動に世界の注目が集まります。

 

 

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