サント=ヴィクトワール山と大きな松の木

Montagne Sainte-Victoire with Large Pine

ポール・セザンヌ

作品解説
「サント=ヴィクトワール山と大きな松の木」はセザンヌの代表作のひとつ、セザンヌは生家の近くにそびえるこの山に取りつかれ、30年にわたり60点以上もこの山を描きました。この作品はその中でも初期のころに描かれたもので、前面に描かれている松の木の枝ぶりと遠くの山の輪郭が見事に呼応しており、「すばらしいモチーフだ」といってセザンヌは友人のエミール・ゾラに手紙を書き送っています。セザンヌは絵画の2次元的な性格を否定せず、3次元の世界を平面上で組み立てなおすことで物の本質を描こうと試みましたが、その意味で日本の浮世絵に大きな影響を受けており、この作品は構図においても浮世絵の影響を感じさせます。
制作年
1885年 - 1887年
素材/技法
キャンバスに油彩
制作場所
エクス=アン=プロヴァンス