アビニヨンの娘たち

Les Demoiselles d'Avignon(フランス語)

パブロ・ピカソ

作品解説
「アビニヨンの娘たち」は、ピカソがパリのモンマルトルに借りたアトリエ「洗濯船」を活動の拠点にしていた頃に描いた作品です。作品に描かれている女性たちは、バルセロナのアビニョ通りにあった売春宿で働く女たち、この作品が最初に展示されたときのタイトルは「アビニヨンの売春宿」でしたが、あまりにあからさまなタイトルのため、のちに現在のタイトルに変更しました。この作品の根底には、伝統的な技法への強い攻撃のメッセージが込められています。美しい構図に反して伝統的な陰影の描写と遠近法を徹底して無視しており、左側の3人の女性の顔は古代イベリア彫刻をモデルにしているのに対し、右側の2人の女性の顔はアフリカの部族仮面をモデルにしています。そして、前面に描かれている果物は、静物画に一般的に用いらることが多い葡萄や林檎、これは皮肉の意味と同時に、どんなものはやがては朽ち果てるというピカソのメッセージです。
制作年
1907年
素材/技法
キャンバスに油彩
制作場所
フランス・パリ
所蔵美術館
    ニューヨーク近代美術館
ジャンル